<金剛山>郵便届けて13年、登頂1万回達成 堺市の74歳

<金剛山>郵便届けて13年、登頂1万回達成 堺市の74歳

 大阪府と奈良県の境にある金剛山(標高1125メートル)の山頂に毎日、郵便物を届けている男性がいる。堺市堺区の上野好夫さん(74)。登山が趣味の上野さんは、30年以上前から金剛山登頂を日課とし、会社を定年退職した後は配達員の委託を受けて登り続けている。昨年5月には登頂1万回を達成。11日の「山の日」を前に「80歳まで配達を続けたい」と語る上野さんは、足取りも軽く、今日も山頂を目指す。

 「郵便です」。真夏の日差しが降り注ぐ7月下旬、上野さんは山頂にある葛木神社権祢宜(ごんねぎ)の葛城繁さん(29)に手紙を手渡した。2004年に金剛山専門の配達員になって以来、日曜と祝日以外はほぼ毎日繰り返されている光景だ。

 上野さんは山口県出身。高校卒業後に大阪府のボタン製造会社に就職して20代で結婚。妻が金剛山の山裾の千早赤阪村の出身で、家族で一緒に登り、魅了された。40歳ごろから毎日出勤前の午前4時に起きて登頂してきた。

 山頂への郵便配達はふもとの富田林郵便局の管轄だが、負担が大きいために外部に委託している。前任者から、毎日の登頂で顔なじみになっていた上野さんが引き継いだ。

 山頂には葛木神社の他に寺もあり、配達先は主にこの2カ所。毎朝、届ける郵便物をリュックサックに入れて午前10時に出発。80〜90分かけて山道を登る。すれ違う登山客には気さくに声を掛ける。「山では立場や肩書に関係なく話ができる。自然も豊かで心が安らぐ」。春にはカタクリやツツジの花、夏は沢の水と冷たい風、秋は紅葉、冬は樹氷。季節ごとに多彩な魅力があるという。

 金剛山愛好家らでつくる「金剛錬成会」が登頂を記録しており、昨年、史上7人目の1万回達成者になった。

 配達が滞らないよう体調には人一倍気をつけている。規則正しい生活と健康な食事を心がけ、体調不良で休んだことは一度もない。

 富田林郵便局の玉田茂久総務部長は「1通でも手紙があれば届けるのが郵便局の使命。上野さんは欠かせない存在だ」と感謝する。

 「毎日登って来る姿を見ると、自分も負けずに頑張ろうと思う」と葛木神社の葛城さん。70歳を超えてさっそうと登り続ける上野さんの姿が、金剛山に関わる人々に力を与えている。【金志尚】

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