<ねぶた>全国に50近い祭り 「サザエさん」も

<ねぶた>全国に50近い祭り 「サザエさん」も

 青森ねぶた祭は終わったが、全国にはねぶたを取り入れた祭りが50近くもあるという。山車を作る、祭りを見る、ハネトとして参加する−−など、ねぶたの魅力を楽しむ祭りが10月ごろまで各地で開催される。

 今月4日、大分市を代表する夏祭り「府内戦紙(ふないぱっちん)」が開かれ、武者や竜などをかたどった灯籠(とうろう)21台が登場した。「セイヤ、セイヤ」の掛け声に合わせて練り歩く姿は、小型ねぶたのようだ。

 大分商工会議所青年部によると、府内戦紙は1985年に弘前のねぷたを参考に電飾を施した1台の山車を作ったのが始まり。当時、大分市の祭りにはメインとなるイベントがなく、「県都を代表するスケールの大きい祭りを作ろう」との声が上がり、全国の祭りを研究したという。

 市長が「ぱっちん(めんこ)の絵柄のようだ」と評したことから、市中心部の旧名「府内」とあわせて「府内戦紙」と命名された。その後、人形灯籠が増え、子どもの山車や踊り隊も加わり定着した。

 江戸川大の阿南透・教授(民俗学)らが執筆した「青森ねぶた誌増補版」(青森市発行)によると、ねぶたを取り入れた祭りは青森県以外に全国に50近く、海外でも米ロサンゼルスにある。中でも関東は20近くの祭りが開かれ、各地を巡って跳ねるねぶたファンも多いという。

 漫画「サザエさん」の原作者、長谷川町子さんが暮らした東京都世田谷区桜新町では毎年9月に「ねぶたまつり」が開かれ、青森市浪岡地区の人形ねぶたのほか、サザエさんを描いた扇ねぶたも運行する。桜新町商店街が旧浪岡町商工会(現青森市浪岡商工会)と交流したのがきっかけで、2004年から実施。関東にあるねぶた囃子(ばやし)演奏団体も参加する。

 衣装を無料で貸し出し、1000人を超えるハネトが祭りを盛り上げる。今年は9月9日に開催予定で、実行委員長の佐藤昌人さんは「見るだけでなく、地域の人たちと一体で楽しめるのが魅力。青森や東北出身者の方も故郷を懐かしく思って参加しているのではないか」と話す。

 山口県柳井市では、金魚ねぶたにヒントを得た「金魚ちょうちん」が約150年前から作られており、93年の夏祭りから山車に巨大な金魚ちょうちんを載せた「金魚ねぶた」が登場している。北海道でも弘前市と友好都市になっている斜里町が7月に「しれとこ斜里ねぷた」を開くなど多くのねぶた祭りが根づく。

 ねぶたが各地に広がっている理由について、阿南教授は「日本を代表する祭りであり、ライトアップが美しく、宗教と関係ないことが大きい。各地で今後どのように発展していくか楽しみ」と話す。【足立旬子】

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