<静岡県立中央図書館>館外の20万冊利用できずで苦情

<静岡県立中央図書館>館外の20万冊利用できずで苦情

 静岡県立中央図書館(静岡市駿河区)の床に本の重さが原因とみられるひび割れが見つかり、一部を除き休館となってから4カ月以上が過ぎた。貸し出しは12月1日から市町立図書館を通じて再開される。しかし、建物の負荷を軽減させるため館外に出された約20万冊の本は当面、利用できない状態が続き、利用者から苦情が寄せられている。【松岡大地】

 中央図書館には計約80万冊の蔵書があり、閲覧室に20万冊、書庫に60万冊があった。今春に閲覧室の床に複数のひび割れが見つかったため、過去5年間で利用率の低かった書庫の約20万冊の本を館外に出してスペースを作り、代わりに閲覧室にある10万冊の本を書庫に移し、重さを軽減させる作業をした。

 館外に出された約20万冊は、静岡市内の県の施設に仮置きされている。本が入る段ボールは約6000箱に及ぶ。防火対策のため段ボールの間には通路が確保され、消火器も置かれている。

 閲覧室から書庫への本の移動作業も終わり、閲覧室にある約10万冊の本の整理作業を進めている。データベースとの照合作業が終われば、インターネットでの予約や窓口での貸し出しも再開される見通し。松本稔章副館長は「図書サービスが再開できることでホッとしている」と話し、胸をなで下ろす。

 一方、床のひび割れが本の重さによるものかなど、建物についても調べており、閲覧室がそのまま使えるようになるかは未定だ。館外に出した約20万冊の本も貸し出しの対象からは外れる。利用者から「借りたい本が借りられない」という声が寄せられ、松本副館長は「安全確保のための苦渋の選択だが、ご迷惑をおかけしている」と陳謝する。

 県は中央図書館をJR東静岡駅南口の県有地に全面移転し、「文化力の拠点」として国際学生寮やホテルなどの導入を検討している。県教育委員会社会教育課の山本知成課長は「単なる図書館の移転ではなく、街づくりの視点も意識しながら県立図書館の役割を果たせる施設にしたい」としている。

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