自民党の河井克行前法相と、妻の河井案里参院議員を巡る公職選挙法違反疑惑は15日、広島地検による強制捜査へと発展した。案里氏が初当選した2019年参院選で、陣営が車上運動員に違法な報酬を支払った疑いが浮上してから2カ月半。身を隠し、沈黙を続けてきた夫妻の姿勢に批判が高まっている。

 広島市中区のビルにある案里氏の事務所に地検が捜索に入ったのは15日午前10時半すぎ。4時間半たった午後3時ごろ、押収した資料が入った十数個の段ボール箱を係官たちが次々と運び出した。報道陣や通行人が取り囲む中、ワゴン車に積み込み、関係者とみられる女性を連れて事務所を後にした。同市安佐南区の克行氏の事務所からも資料を押収した。

 19年10月に疑惑が報じられた際、夫妻は関与を否定した上で「説明責任を果たす」とコメントしたものの、その後は国会を欠席し、公の場に姿を現さなかった。克行氏の事務所近くに住む女性(75)は「地元民として恥ずかしい」と批判し、案里氏の後援会長で、広島県府中町の繁政秀子町議も「疑惑はないと信じているが、事実関係を説明してほしい」と話す。

 自民県連の幹部は「『説明する』というのにしないから困っている。(容疑が)事実と違うのであれば違うと言うなど、政治家としてのけじめをつけてほしい」と注文をつけた。【賀有勇、池田一生】