新年恒例の「歌会始の儀」が16日、皇居・宮殿で行われた。令和最初の題は「望」。天皇、皇后両陛下や皇族方の他、一般公募の1万5324首から選ばれた入選者10人らの歌が伝統的な節回しで披露された。皇后雅子さまは2003年以来17年ぶりに出席された。

 天皇陛下は子供たちの将来が明るくあってほしいとの願いを歌にした。両陛下は「こどもの日」にちなんだ施設訪問を行っており、19年は都内の保育園で園児たちと触れ合った。

 皇后さまは各地の被災地で若者が復旧に献身的に取り組み、人々に希望や勇気を与えていることを頼もしく思った気持ちを表現した。両陛下は19年末、台風19号で被災した宮城、福島両県で被災者を見舞い、高校生のボランティアらをねぎらっている。

 秋篠宮さまは祖父の昭和天皇に誘われ、栃木県の那須御用邸の屋上から眺めた夜を歌にした。きれいな空に多くの星が輝き、心を躍らせた当時を振り返った。

 秋篠宮妃紀子さまは19年9月に訪れた岩手県釜石市で東日本大震災後に移転した小中学校に続く階段にあったヒマワリの鉢植えを見たことを詠んだ。ヒマワリは阪神大震災で亡くなった神戸市の小学生の自宅跡に咲き、復興のシンボルとして各地に広がった「はるかのひまわり」で、上皇さまも19年の歌会始で詠んでいる。同年4月に退位した上皇さまと上皇后美智子さまは今回から出席していない。【稲垣衆史】

 ◇天皇陛下

学舎(まなびや)にひびかふ子らの弾む声さやけくあれとひたすら望む

 ◇皇后雅子さま

災ひより立ち上がらむとする人に若きらの力希望もたらす

 ◇秋篠宮さま

祖父(おほぢ)宮(みや)と望みし那須の高処(たかど)より煌めく銀河に心躍らす

 ◇秋篠宮妃紀子さま

高台に移れる校舎のきざはしに子らの咲かせし向日葵(ひまはり)望む

 来年の題は「実」です。募集要領は、その他の皇族方や入選者の歌とともに、17日朝刊とニュースサイトに掲載します。