旧優生保護法下で不妊手術を強制されたとして国に賠償を求めている原告の北三郎さん(76)=活動名、東京都在住=が16日、東京地裁(伊藤正晴裁判長)であった口頭弁論の尋問で「国には私たちの苦しみを分かってもらい、謝罪してほしい」と訴えた。

 尋問で北さんは、中学2年の時に手術を受けたと説明。当初は何をされているか分からず、後に児童自立支援施設の先輩から不妊手術だと知らされたとし、「内容を知っていたら施設から逃げていた」と振り返った。手術の痕は今も残っているという。

 7年前に他界した妻には「離婚を切り出される」と思い、亡くなる直前まで手術の事実は打ち明けられなかったという。「手術がなければ他の人と同じように子どもができて、妻と幸せになっていたはずだ」と語った。

 16日は、北さんの姉も証人出廷し、高校生の時に祖母から北さんの手術を聞かされたが、口止めされて誰にも明かせなかったと述べた。自分の子どもと喜んで遊ぶ北さんの姿を見てはかわいそうに思ったといい、「これからは楽しく生きてほしい。弟を応援したい」と話した。

 弁護団によると、訴訟は3月17日の次回口頭弁論で結審する予定。【服部陽】