清流の水で天然の氷を作る栃木県日光市の製氷池で12日、氷の切り出し作業が始まった。今季は暖冬の影響で天然氷の製造はピンチに立たされたが、2月に入って冷え込みが進み、ようやく切り出しにこぎ着けた。

 日光市の製氷業「氷屋徳次郎」=山本雄一郎代表(69)=では、この冬に天然氷を2回切り出して計160トンを出荷する計画だった。しかし、今季は氷点下10度前後の冷え込みが少なく、気温が高い日が続いた。氷表面の清掃など準備を進めていたが季節外れの雨が降り、1月の切り出しを断念。厚さ8センチの氷を重機でたたき割り、作り直していた。

 今季はこれが最初で最後の氷作り。平年だと厚さ15センチ前後で切り出すが、今後暖かい日が続くとの見通しから約10センチで切り出しを決めた。作業は夜明け前から始まり、スタッフが製氷池の上でエンジンカッターを使って氷板約2000枚を切り出した。池から引き上げられた天然氷は、竹と木で組んだレールを滑らせておがくず敷きの氷室に運び込んだ。

 山本代表は「これまでにない暖冬で危機感があったが、硬く締まった天然氷ができてほっとしている。かき氷を楽しみにしている、夏のお客さんの笑顔が見えてきた」と胸をなで下ろした。【花野井誠】