政府は13日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、マスクの増産に取り組む企業への補助金交付や、観光業界向けの資金繰り支援など総額153億円の緊急対策をまとめた。ウイルスの検査キットの早期開発することや、検疫態勢の強化、アジア各国への医療資機材提供なども盛り込んだ。総額は153億円。このうち103億円は、14日の閣議で2019年度予算の予備費から充てることを14日の閣議で決定する。

 ◇第2弾、第3弾の対策も検討

 緊急対策は13日、首相官邸で開いた対策本部会合でとりまとめた。安倍晋三首相は「第1弾として当面、緊急に措置すべき対応策をとりまとめた」と述べた。政府は観光業や製造業などへの影響を見極めながら、必要に応じて第2弾、第3弾の対策も打ち出す構えだ。

 品薄状態が続くマスクの供給に関しては、増産のために設備投資をする企業への補助金として4億5000万円を確保。1月の2倍に当たる月産6億枚まで供給拡大を図る。各家庭にマスクが行き渡るように、薬局関係団体に対し、マスクの過剰発注の自粛や1人当たりの販売数量制限も要請する。

 短時間で感染の有無を調べることができる簡易検査キットや抗ウイルス薬、ワクチンの研究開発費として10億円を計上する。

 中国人の団体旅行禁止に伴って客が減少している旅館やホテル、バス事業者などの経営支援にも乗り出す。当面の運転資金を確保できるように、政府系の日本政策金融公庫などによる5000億円規模の緊急貸し付け・保証枠を設定する。一時的に事業を縮小した企業が従業員を解雇しないで済むよう、休業手当を助成する「雇用調整助成金」の支給要件も緩和する。

 受験シーズンを迎えていることを踏まえ、コロナウイルスに感染した受験生への配慮を教育機関に要請。中国から一時帰国した児童・生徒へのいじめの防止に取り組む。アジア各国への医療資機材供与などの支援では16億5000万円を計上し、治療法開発用として分離したウイルスの無償供与も行う。【竹地広憲、宮原健太】

 ◇政府の新型肺炎の緊急対策のポイント

・検査態勢の強化

・入国管理体制の強化

・マスクを増産する企業に補助金を支給

・抗ウイルス薬、ワクチン開発の支援

・中小企業の運転資金として5000億円の融資枠を準備