京都大は25日、血液成分の血小板や白血球などが減少する「再生不良性貧血」の患者に、自身の血液細胞から作ったiPS細胞(人工多能性幹細胞)由来の血小板を投与する臨床研究を医学部付属病院で実施したと発表した。現時点で副作用などは確認されておらず、1年間経過観察し、安全性を確認する。

 対象者は、体質による免疫の拒絶反応で他人から輸血を受けられない患者1人。本人の細胞から作製したiPS細胞を、血小板を産生する「巨核球」という細胞に変化させ、生み出された血小板を2019年5月から20年1月の間に3回に分けて輸血した。

 京大iPS細胞研究所の江藤浩之教授は「臨床研究の結果を解析し、iPS細胞から大量の血小板製剤を製造するための技術開発を進めたい」としている。

 今回の臨床研究計画は、18年9月に厚生労働省の再生医療等評価部会で承認され、19年3月から臨床研究に着手していた。iPS細胞を使った臨床研究や治験は、目の難病や心臓病、パーキンソン病でも実施されている。【菅沼舞】