新型コロナウイルス感染拡大の影響で休校していた石川県七尾市立和倉小学校(岩崎洋文校長、児童数133人)の6年生が、19日の卒業式後に風船に託して飛ばしたメッセージに、約300キロ離れた新潟の桃農家から返事が届いた。感染予防のために式の規模を縮小せざるを得なかっただけに、学校では「寂しい門出でかわいそうに思っていたが、うれしいことがあってよかった」と明るい春の知らせを喜んでいる。

 同校では政府の要請を受けて3日から休校。卒業式は6年生と教員、数を制限された保護者のみが出席し、5年生からの送る言葉もなかった。「子どもたちにこれだけはさせてやりたい」と先生らが強く願ったのが学校の恒例行事だった。

 同校では卒業式後、6年生が自分の夢を記したカードに「お返事をお待ちしています」というメッセージや学校の住所、メールアドレスを添え、風船に付けて飛ばす。今年もマスク姿の6年生22人が青や緑、黄色など色とりどりの風船を、校内から青空に放った。内田幸子教頭は「風船が空高く飛んでいき、子どもたちの夢が羽ばたいていくようでうれしかった」と振り返る。

 「中学校で友だちができるといいです」と夢を書いた小木曽貫大(かんた)さんの青い風船が新潟市西蒲区の桃畑に到着したと分かったのは26日。風船を拾ったという72歳の「桃農家のババ」から返事の手紙が学校に届いたのだ。手紙には丁寧な筆跡で「卒業おめでとうございます」「不思議な縁をかんじています。海をわたって来たのでしょうか」とつづられ、元気で正しい中学生になってほしいというエールも。風船を撮影し、タブレット端末に保存したといい、「良い記念写真になりました」と結んでいる。

 内田教頭は「今年も風船を飛ばしてよかった。早く子どもに伝えてやりたい」と喜んだ。【日向梓】