手元に資料がないので授業についていけない――。新型コロナウイルスの影響で多くの大学でオンライン授業や入構制限が続く中、学生からこんな不満の声が上がっている。そこで、授業用の資料や課題をコンビニエンスストアで無料で印刷できるサービスを導入する大学が出始めている。

 関西学院大は全国の大学に先駆け、5月下旬から自宅にプリンターがない学生を対象に、コンビニで資料などを無料で印刷できるサービスを開始した。申し込んだ学生には専用IDが付与され、学生自身が授業や研究に必要な文書や画像をインターネット上の専用サイトに保存すると、コンビニのマルチコピー機でその資料をいつでも印刷できる仕組みだ。2021年3月末までの期間中、計500枚まで無料で印刷できる。

 これまで学生向けにパソコンやルーター(高速接続に必要な中継器)を無償で貸し出してきたが、学生から「家にプリンターがなくて、授業で出された課題を印刷できない」「手元に資料がなくて授業についていけない」などの相談が寄せられたことから、「学生の負担を少しでも減らし、学業に専念できる環境を作りたい」と無料印刷サービスの導入を決めた。

 関西学院大は4月以降、入構制限とオンライン授業を継続中。これまでに約3400人の学生が無料印刷サービスを利用した。1年の男子学生(19)は「印刷代もばかにならないし、ウェブの画面だけでは勉強にならないので助かる」と話す。

 他の大学も同様のサービスを始めた。同志社大(上限500枚)、上智大(上限700枚)=6月下旬から▽関西大(上限300枚)=7月から。

 ただ、こうした大学はまだ少数派だ。東京都内の私立大に通う3年の男子学生(22)は「プリンターがないことを大学に相談したが、入構制限で大学のプリンターは使わせてもらえず、個人でコンビニのネットプリント機能を使うように言われた。困っている学生は多いはずなので、同様の取り組みが全国の大学に広がってほしい」と訴える。

 セブン―イレブンで「ネットプリントサービス」を提供している富士ゼロックスによると、新型コロナの影響でテレワークやオンライン授業が急増したことを受け、法人契約数は前年同期から倍増し、印刷枚数も10倍強に増えているという。【斎川瞳】