石油元売りのキグナス石油が「α―100」のブランドで販売するハイオクガソリンについて、オクタン価が100ではないのにホームページ(HP)で「オクタン価は100」と虚偽の宣伝をしていた。キグナスは毎日新聞の指摘を受け、4月にHPを修正した。エンジンの汚れを取り除く添加剤が入っていないのに10年以上、実態と異なる宣伝をしていたコスモ石油に続き、元売りの虚偽宣伝が判明した。

 景品表示法は、事実に反して他社の商品より著しく優れているかのように宣伝することなどを禁じている。過去の行為にもさかのぼって適用されるため、同法違反(優良誤認)に該当する可能性がある。

 「α―100」は1986年7月に発売。オクタン価が高いほど、エンジンの異常燃焼が起こりにくく、日本産業規格(JIS)はレギュラーガソリンは89以上、ハイオクは96以上と規定。オクタン価の高さを購入の判断材料にするハイオクユーザーもいる。

 キグナスの100%子会社の「キグナス石油販売」はHPで「通常のガソリンのオクタン価は90程度ですが、ハイオクガソリンα―100のオクタン価は、100です」と記載していたが、4月6日に「通常のガソリンと比べオクタン価が高くなっています」と修正した。

 キグナスは自前の製油所を持たず、2001年から東燃ゼネラル石油(現ENEOS)▽17年からJXTGエネルギー(同)▽20年からはコスモから、主に仕入れている。ENEOSとコスモは取材にオクタン価が100ではないと答えたのに、100としている矛盾を指摘すると、キグナスは「100ではなかった。消費者の誤解を招きかねないと受け止めている」と回答し、修正した。13年11月に表記の誤りに気づき、親会社のHPは修正したが、子会社のHPはそのままになっていたという。

 一方、コスモのハイオク「スーパーマグナム」には汚れを取り除く添加剤が入っていないにもかかわらず10年以上、虚偽宣伝を続けてきたことが取材で判明。キグナス石油も「汚れをキレイにする働きがある」と記載していたため、宣伝が適切か尋ねると、5月8日に「汚れを付きにくくする働きがある」と修正した。

 消費者庁表示対策課で勤務経験がある染谷隆明弁護士は「商品名がα―100で、オクタン価が100と宣伝するのはインパクトが強い。100ないならば購入しなかったという消費者がどの程度いるかが景品表示法違反に問われるかのポイントになる」と話した。

 キグナスは17年に業界3位のコスモと資本提携。スタンド数は450カ所(20年3月末)で業界4位。【遠藤浩二】