東京都三鷹市は29日、ドメスティックバイオレンス(DV)被害者の女性が含まれる戸籍付票の写しを4月に加害者から請求されて郵送し、女性の住所を漏らしていたと発表した。女性は「DV等支援措置」の対象で、本来は住所を加害者側に知らせないことになっている。市は、6月に女性から問い合わせを受けるまで漏えいに気づいていなかったという。

 同市市民課によると、4月10日に加害者側から郵送で請求された。支援措置対象者の戸籍付票は、住民基本台帳システムの端末で検索する時と印刷する時に警告が出る。しかし、今回は職員が無視して付票を印刷したという。また、警告が出た場合は支援担当者に連絡する決まりもあるが、それもしなかった。この職員は「警告が出ても印刷して構わないと指示を受けていたように思い込んでいた」との趣旨の説明をしているという。市は同月13日、加害者に付票を郵送した。

 被害者女性はその後、加害者側から郵便物が届いたために漏えいに気づき、6月18日に同市役所を訪ねて発覚した。市は女性に謝罪と事情説明をしたという。

 市は問題発覚後、警告が出た場合は全件を支援担当者に伝えることを徹底するようにし、チェック要員も増やしたとしている。被害者女性の要望も考慮し、8月をめどに対応方法の明文化や職員への講習導入を進めるという。【和田浩明】

 ◇DV等支援措置

 DVやストーカーの被害者らを保護するため、被害者の住所が記載された住民票や戸籍付票などを加害者側に交付しないようにする制度。住民基本台帳法に基づき、2004年に創設された。被害者の申し出を受けた市町村区が警察、児童相談所などの意見を聞いて制度の対象とするかどうかを判断する。