<自民党>改憲議論が本格化 「自衛隊」と9条2項焦点

<自民党>改憲議論が本格化 「自衛隊」と9条2項焦点

 自民党の憲法改正推進本部(保岡興治本部長)は20日の役員会で、自衛隊を憲法に明記するとした安倍晋三首相の方針に関する議論を本格的に始めた。今後の議論では、戦力不保持などを定めた憲法9条2項と、自衛隊明記の方針との整合性をどう取るかが焦点となる。

 役員会で保岡氏は、自衛隊明記や緊急事態条項創設など4項目の論点の議論を8月までに一巡させる方針を確認。9月にも党改憲案をまとめる方針だ。

 20日の会合では、自衛隊明記について集中的に協議した。小野寺五典元防衛相は「2012年の党改憲草案では改憲発議に至らない。各党の賛同を得られる案を作るべきだ」と指摘。党内保守派がこだわる「国防軍」創設を盛り込んだ12年草案をけん制しつつ、首相方針を支持した。これに対し首相と距離を置く石破茂元幹事長は「自衛隊を書くなら、9条2項とどう矛盾なく説明するのか。単に書けば良いというのはやや粗雑な議論だ」と疑問を呈した。

 異論はあるものの、21人の役員会メンバーの大半は首相方針を支持している。執行部は21日に全所属議員を対象とした会合を開き、首相方針を基本とする党内議論の環境を整える構えだ。役員会に先立ち、保岡氏は官邸に首相を訪ねて現状を報告。首相は「しっかりやってくれ」と述べ、両院議員総会などで自身の提案を説明する考えを示した。石破氏らが指摘する「党内への説明不足」を解消する狙いがありそうだ。

 首相自身は、19日の記者会見で「与野党を超えて建設的な議論を行えるような自民党案の検討を優先したい」と語っており、改憲発議に必要な衆参の「3分の2」を意識して党内議論を進めさせる方針だ。一方で党内には、改憲論議を急ぐことへの懸念も出始めた。内閣支持率の急落もあり、ベテラン議員は「7月には都議選もある。それで世論がどう変わるか注目しないといけない」と指摘する。

 自民党「憲法族」で、野党との協調を重視する保岡氏は20日、記者団に「法案審議で大事な忍耐と工夫が、憲法改正にはさらに求められる」と語り、首相方針と、野党との協調の両立を目指す姿勢を示した。【小田中大、村尾哲】

 ◇「9条の2」で合意探る

 改憲で自衛隊を明記する条項には、自民党が有力視する「9条の2」案や、現行9条に項目を加える「9条3項」案がある。法的には「9条の2」は9条と同格の「別条」となり、自民関係者は「9条に指一本触れていないと主張できる」と解説する。9条改正に慎重な公明支持層にも受け入れられやすいとされ、まずは改憲で与党を固める思惑がある。

 推進本部の保岡本部長は13日の東京都内の講演で、「9条の2は、今の(9条の)解釈を動かさないという政治的なメッセージになる」と指摘した。公明党の太田昭宏前代表も「9条の2」を提唱していたとされる。

 ただ、法学者からは「法的には同じ。どういう書きぶり(文章)にするかが重要だ」との指摘も出ている。公明党関係者は「中身が本質だが、『9条を変えない』というメッセージは必要だ。『10条の0』と明記できるならその方がいい」と語り、「9条」との分離を図りたい本音をのぞかせている。【村尾哲】

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