<選抜高校野球>震災契機に交流 選手ら「準決勝で戦おう」

<選抜高校野球>震災契機に交流 選手ら「準決勝で戦おう」

 「やっと同じ舞台に立てたな」。第89回選抜高校野球大会が開催されている阪神甲子園球場で、中学時代から交流してきた仙台育英(宮城)と神戸国際大付(兵庫)の選手たちが再会を果たした。阪神大震災と東日本大震災の被災地という縁から互いにホームステイをしながら一緒に練習をしてきた。今大会で対戦するなら準決勝。「準決勝で絶対、戦おう」と躍進を誓い合った。

 「久しぶりやな」。18日の開会式リハーサル後、神戸国際大付の三塁手、森田貴選手(3年)は仙台育英の佐藤令央投手(3年)や斎藤育輝(なるき)選手(3年)らと握手を交わした。森田選手は兵庫県高砂市立松陽中、佐藤投手らは仙台育英の系列校、秀光中といずれも中学軟式野球の強豪校出身。「全中(全国中学校軟式野球大会)や甲子園でいつか会おう」との約束が実現した瞬間だった。

 交流が始まったのは2012年。東日本大震災の被災地で部活動をどう再開するかを話し合う指導者向けの講習会で、松陽中の井上雄介監督(37)と秀光中の須江航監督(33)が知り合ったのがきっかけだった。

 この年の夏、全中出場を逃した秀光中は「僕らの分まで頑張って」と、出場を決めた松陽中に千羽鶴と自分たちのユニホームを託した。佐藤投手らは中学1年だった。中3の夏には、両校による最後の試合が徳島市で行われた。延長までもつれる熱戦となった。森田選手は「震災のつらい体験を乗り越えて野球に打ち込む姿を見て元気をもらった」と話す。

 被災地同士ならではの交流もあった。存分に野球ができるようにと松陽中が秀光中を高砂市に招待。井上監督は「今はボランティアに参加できなくても野球で心と体を鍛え、いつか復興に貢献してほしい」との思いから、野球だけでなく防災学習にも取り組んだ。

 甲子園で再会した18日夕、井上監督は、かつて託された秀光中のユニホームを着て仙台育英の宿舎を訪問した。佐藤投手は「甲子園でしっかり打って井上監督に恩返ししたい。森田は走攻守そろっているのでもし対戦したら注意して投げたい」と意気込む。

 須江監督はこの日、自分のチームの試合のために甲子園に来られなかったが、「家族ぐるみの交流を続け、再会を夢見ていた。対戦することになれば必ず行く」と喜んでいた。【矢澤秀範、真田祐里】

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