サッカー女子の元日本代表で2011年のワールドカップ(W杯)ドイツ大会優勝に貢献したFW大野忍(36)が12日、東京都内で引退記者会見を開き、「決断するのに時間がかかったが、タイミングもそろそろだと思った。現役の時から指導者にも興味があり、目標に向かって走っていこうと切り替えもできたので引退になった」と理由を説明した。

 引退を意識したのはシーズン中の19年10月ごろ。「練習中に指導目線になってしまい、葛藤と戦っていた。選手なら選手、指導者なら指導者でいこうと決めていた」という。身の振り方は元日本代表の澤穂希さんや宮間あやさんに相談した。

 今後はサッカースクールなどで活動していく。大野は「小さい選手にはそれを不利と思わないでほしいし、いい選手になると伝えていきたい。技術だけでなく、メンタルの強さがあり、礼儀もちゃんとした選手を育てたい」と思い描く。日本代表「なでしこジャパン」の監督就任は「今のところ『やりたいぜ』というのはないけど、関われるんだったら関わりたい」と意欲を示した。

 大野は白いシャツに黒のパンツ姿。堅い記者会見にしたくないという大野の意向もあって終始なごやかな雰囲気で進んだ。プライベートでやりたいことを問われると、「昼間にお酒を飲むとか、食事もあまり気にせずにばくばくいってしまうとか。現役の時だったら考えられないようなことができるのが楽しみ」と笑わせた。最後まで涙はなく、笑顔の記者会見となった。【福田智沙】