◇〇ヤクルト9―6巨人●(27日・神宮)

 ヤクルトが六回に2本塁打を含む6安打を集めて7点を奪い、逆転勝ちした。

 不利なカウントを避けたいという、相手投手の心理を見透かしたかのように、鋭くバットを振り抜いた。ヤクルトの山田哲が六回1死満塁から、左翼席に試合を決定づける一発を放った。

 この回は直前、代打・青木の2点適時二塁打で逆転し、1点リードの1死満塁で打席が回った。相手4番手の藤岡は山田哲の前の坂口にストレートの四球と乱調。山田哲は2球で追い込まれたものの、ファウルで粘りながらカウント2―2まで戻した。そして7球目。「強い打球を打つことを心がけた」と、甘くなった速球をとらえた。「最高のカタチになってくれた」とうなずいた。

 これで今季のアーチは早くも4本目。一方で26日終了時点で打率は2割台前半と、決して好調ではなかった。それが、一回無死二塁の第1打席で「強引にいかずコンパクトに打つことを心がけた」と、速球を左翼線に運んで先取点を挙げると、二回にも左前打。取り戻しつつあった感覚を、六回の一発で確かなものにした。

 試合後、高津監督は「(打つことが)当たり前ではないが……」と前置きした上で「期待していた通りの打撃というか、ここで一本というところで打ってくれるのが(山田)哲人」と話した。監督の冷静な反応こそ絶大な信頼の証しだ。

 試合数削減や過密日程など変則的なシーズンだが、目標は自身4度目の「トリプルスリー」(打率3割、30本塁打、30盗塁)。今季もリーグの主役を演じる予感が漂う、3安打の固め打ちだった。【角田直哉】