<米銃撃1週間>議会はつかの間の結束

 米南部バージニア州で、連邦議員の野球の親善試合に向けて練習していたスティーブ・スカリス共和党下院議員(51)らが銃撃された事件は、21日で発生から1週間を迎える。現場の野球場で射殺されたジェームズ・ホジキンソン容疑者(66)の動機は謎のままだが、税制をめぐって以前から共和党に強い反感を持っていたようだ。

 【ワシントン高本耕太】事件を受け米政界では、「暴力を許さない」意思を示すため、超党派で結束する雰囲気が盛り上がった。しかし、同じ南部のジョージア州で20日に投開票される連邦下院第6区補選の決選投票が近づくにつれ、再び共和党と民主党は対決モードに逆戻りしつつある。

 「1人倒れた。あと216人だ」。共和党のテニー下院議員(ニューヨーク州選出)の事務所は14日、事件に着想したとみられる脅迫メールを受け取った。217人は、先月の下院本会議でオバマ前政権による医療保険制度改革(オバマケア)を廃止し、新制度に置き換える法案に賛成票を投じた共和党議員の人数。テニー氏は自身のフェイスブックで「暴力的な言論が日常化することを止めなければならない」と訴えた。

 15日夜にはワシントンで、スカリス下院議員が出場予定だった共和、民主両党議員による毎年恒例の野球の親善試合が予定通り開催された。メンバーら6人が負傷する事態となったが、暴力に屈しない姿勢を示すため決行したものだ。襲撃の際に足を負傷した松葉づえ姿の警察官が始球式を行うと、スタジアムは拍手と歓声に包まれた。

 こうした融和ムードの中、連邦議会では事件を機に対立をあおる過激な言動を自制し、党派を超えた結束を強調しようとする発言が相次いだ。共和党のライアン下院議長は本会議場で「誰か一人への攻撃は、我々全員への攻撃だ」と強調。民主党下院トップのペロシ院内総務も「家族が負傷した」と応じた。

 一方で、銃撃現場を訪れた共和党のスティーブ・キング下院議員は記者団に「米国は分断されている。左翼の暴力にさらされている」と発言。更にジョージア州連邦下院第6区補選の選挙戦では18日、銃撃されたスカリス氏が搬送される映像と銃声の後に「狂った左翼は共和党議員の銃撃を称賛している」とのメッセージが流れるテレビコマーシャルが放映された。保守系政治団体が、共和党候補への投票を呼びかけるために作成した。

 この広告には、共和、民主の両候補陣営ともに非難する声明を発表したが、昨年の大統領選から続く激しい党派対立が招いた米国社会の分断の反映との見方が出ている。

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