<中国>ゲーム規制強化 ネット中毒者、問題化

<中国>ゲーム規制強化 ネット中毒者、問題化

 【北京・赤間清広】中国当局がゲームやSNSなどインターネットサービスに対する規制を強めている。10月に5年に1度の中国共産党大会が迫る中、ネット発の社会不安を防ぎ、習近平指導部に対する世論の批判を封じたい思惑がある。

 「このゲームは人生を破壊する」。中国共産党機関紙、人民日報系のニュースサイト「人民網」は今年7月、中国で大人気のスマートフォン向けゲーム「王者栄耀」を痛烈に批判した。「王者栄耀」は歴代の有名武将や物語の主人公をコントロールして遊ぶアクションゲーム。中国ネット大手、騰訊(テンセント)が配信している。

 2016年の中国ゲーム市場でトップシェアを獲得する大ヒットとなったが、「ゲーム中毒者」も続出。11歳の子供が親のクレジットカードを盗んでゲームにつぎ込むなど問題も相次いでいる。記事はゲームの悪影響を糾弾し、ネット企業に「社会的責任を果たせ」とクギを刺した。

 中国当局も未成年者の深夜のゲーム利用を禁じるなど、ゲーム規制策を相次ぎ打ち出している。今年6月には言論統制を目的にしたインターネット安全法が施行された。ネット利用者の実名登録が必要となり、事業者にはネット通信記録の保存が義務付けられた。

 当局が神経をとがらせるのは、配信するネット企業の影響力が強まっているためだ。騰訊や阿里巴巴(アリババ)の時価総額はアジアトップクラス。ゲームだけでなく、SNS、決済サービスなども手掛け、中国社会の必需品になりつつある。

 党大会は最高指導部メンバーを決める中国の最重要会議。大会前に国内世論が動揺する事態は許されない。ネットに対する締め付けは「ネット企業に圧力を加え、党・政府に対する批判を封じ込める狙いがある」(ネット企業関係者)とみられる。

 中国国家インターネット情報弁公室は8月11日、北京市と広東省の監督当局に対し、暴力的な表現やデマなど国家の安全に危害を加える恐れがある情報を放置したネットサービスをインターネット安全法違反の容疑で調査するよう指示した。調査対象は騰訊の無料対話アプリ「微信(ウェイシン)」、新浪の中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」、百度が展開するネット掲示板。いずれも市民が自由に意見交換するツールとして広く普及しているサービスで、ネット世論のコントロールを強めようとする当局の姿勢は明白だ。

 中国メディアによると、同法違反で利用制限や閉鎖に追い込まれるゲームやブログ、掲示板などが急増しているという。ネット産業の高成長が続く中、抑え込みたい当局と、便利なサービスを展開したいネット企業との摩擦は続きそうだ。

 ◇キーワード・中国のゲーム市場

 オランダのゲーム市場調査会社「ニューズー」によると、2016年の中国のゲーム市場規模は約246億ドル(約2兆7000億円)。米国を抜き初めて世界一となった。17年は約275億ドルに拡大し、19年には300億ドルを突破する見通しだ。

 急成長のけん引役となっているのが「王者栄耀」に代表されるスマートフォン向けゲーム。中国では「社会不安の要因になる」と一時期まで据え置き型ゲームの販売が禁止されていた影響もあり、スマホゲームの割合は53%と世界平均(42%)を大きく上回っている。スマホゲームのヒット作を数多く抱える中国ネット大手、騰訊(テンセント)のゲーム収入は16年、ソニーを上回り、世界最大だった。

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