中国湖北省武漢市で集団発生した新型コロナウイルスは16日に日本でも感染者が確認され、中国でも不安の声が上がっている。武漢の衛生当局は冷静な対応を呼びかけつつ、当初と違って「ヒトからヒトに限定的に感染する可能性を排除できない」と説明。中国は25日の春節(旧正月)に向け延べ約30億人が移動する帰省ラッシュの時期に入っており、拡大を心配する人が多い。

 武漢の衛生当局によると、14日時点の新型ウイルス感染者は41人で、男性や中高年の感染者が多い。これまでに61歳の男性1人が死亡し、現在も6人が重症。7人は退院した。3日以降、新たな発症例はないという。

 感染者の大半が海産物などを扱う市内の市場関係者で、この市場は1日に閉鎖された。感染者の中に市場で働く男性とその妻がいるが、妻は市場へは行っていないと話していることから、家族間で感染した可能性が浮上。衛生当局は「ヒトからヒトに感染する明確な証拠はない」との立場だが、15日の発表から「感染する可能性は排除できない」との表現を付け加えた。

 2019年末に今回の集団感染が発生して以降、国内では武漢以外での感染者は確認されていない。

 しかし、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」では「武漢は交通の要衝だけに帰省ラッシュへの影響が心配だ」との声が上がっている。また「遠く離れた外国で見つかり、なぜ中国では武漢だけなのか」との疑問も出ている。【北京・河津啓介】