アフガニスタンのガニ大統領とアブドラ元行政長官の対立が深刻化している問題で、ポンペオ米国務長官は23日、予告なしに首都カブールを訪問した。両氏と会談して仲裁を試みたが、不調に終わった模様だ。ポンペオ氏は同日、今年予定されたアフガンへの支援を10億ドル(約1100億円)削減すると発表。さらなる支援削減も示唆し、両氏が和解するよう圧力をかけている。

 ガニ、アブドラ両氏は昨年9月の大統領選の結果を巡って対立。両者が「大統領」を主張する危機的状況に陥っている。米国には、対立が続けば、2月末に署名した旧支配勢力タリバンとの和平合意に基づく14カ月以内の米軍撤収が困難になるとの懸念がある。

 ポンペオ氏は23日の声明で、ガニ、アブドラ両氏が「包摂的な政府」の樹立に向けて歩み寄らないことに対し、「アフガンの将来のために命を犠牲にしたアフガン国民や米国人、有志連合の参加国を侮辱している。失望した」と痛烈に批判。2021年も支援を10億ドル削減する用意があると警告したほか、アフガン政府を支援するための国際会議への協力も再検討するとした。アフガンは政府予算の半分以上を国際社会の支援に頼っており、支援の削減は死活問題だ。

 また、ポンペオ氏はカブール訪問後に中東カタールで、タリバン政治部門トップのバラダル師らと会談。和平合意の履行や捕虜の釈放などについて協議した。米側には、タリバンと協調していく姿勢や合意通りに米軍撤収を進める意思を示すことで、タリバンの「復権」を懸念するガニ、アブドラ両氏の和解を促す狙いもあったとみられる。【ニューデリー松井聡】