<東日本大震災6年>岩手・大船渡の復興シンボルに ガラス造形作家・野口さん、横浜駅展示「窓辺の夢語り」贈呈 /神奈川

 ◇「さいとう製菓」新工場に移設へ

 東日本大震災で被災した岩手県大船渡市の「さいとう製菓」(斉藤俊満社長)の新工場に、ガラス造形作家でマリエンバード工房代表の野口真里さん(54)=横浜市港南区=の作品「窓辺の夢語り」が飾られる。横浜駅西口の地下街中央広場に展示されていたが、改修で撤去され、移設されることになった。被災地復興と再生の新たなシンボルとなる。【高橋和夫】

 「窓辺の夢語り」は、魚の星にじゃれる猫やヒマワリの太陽、三日月、尾長鳥、花などを、真夜中から朝を迎える窓外の情景として描いた作品(縦1・4メートル、横87センチ)の6連作。サンドブラストエッチングなどの技法で、強化ガラス(厚さ6ミリ)などを合わせた素材に仕上げた。1998年に制作・展示され、命の大切さと夢を紡ぐ作品として、広場に憩う子どもたちの夢を広げてきた。

 同社は大津波で本社や和菓子工場と、陸前高田市などの沿岸5店舗が被害を受けたが、1カ月後に銘菓「かもめの玉子」の製造を再開し、被災店舗もすべて再建した。斉藤俊明社長(現会長)は2012年に、被災地復興のリード役と地域振興を含めた経営努力が高く評価され、毎日新聞社の毎日経済人賞特別賞を受賞した。

 新工場は一部2階建て3135平方メートルで、4月20日ごろ完成予定。震災伝承や地域振興の拠点として、地域のイベントにも活用される。「窓辺の夢語り」は、来客用入り口の1階ロビー壁面に取り付けられる。斉藤和典専務は「復興を応援してくれる野口さんからのプレゼントはうれしい。多くの人に鑑賞してもらいたい」と話した。

 野口さんは、建築物と一体となったガラス工芸の空間造形を創出する分野で先駆けとなったグラス・アーティストの第一人者。厚いガラスを何枚も重ねて立体感と遠近を作り出す技法が特徴で、野口さんのグラスアートは「かもめの玉子」のパッケージにも採用された。作品は同社本店に展示されていたが、大津波で流された。

 野口さんは11年、被災地復興の祈りを込めて横浜駅東口の商業施設「ポルタ」入り口を飾る「横濱三塔物語」などのグラスアート群を制作。犠牲者への鎮魂と復興の願いを託し、横浜から被災地への使者としてたくさんのカモメをデザインした。大船渡市の「大船渡温泉」のロビーにも、復興支援として野口さんの作品2点が展示された。

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