<第99回全国高校野球>聖光貫禄の初戦突破 スタンド連打に沸く /福島

 夏の甲子園は大会第3日の10日、聖光学院が初出場のおかやま山陽(岡山)に6−0で快勝した。二回に先制した打線はじわじわと点差を広げていき、エースの斎藤郁也投手(3年)も相手強力打線を5安打に抑えて完封。11年連続代表の貫禄を見せつけた。聖光は大会第8日の15日第4試合(午後3時半開始予定)で、聖心ウルスラ(宮崎)との2回戦に挑む。【加藤佑輔、李舜】

 ▽1回戦

聖光学院

  021110010=6

  000000000=0

おかやま山陽

 聖光学院の一塁側アルプススタンドは大観衆で埋まった。左翼手として先発した松本聖也(3年)の母裕子さん(45)は「最後まで油断することなく、自分らしいプレーをしてほしい」と、ひときわ大きな声援をグラウンドに向ける。

 好機は二回に訪れた。「この場面で絶対に打ってやる」。無死一塁で仁平勇汰主将(3年)が左翼フェンス直撃の三塁打を放ち先制。続く松本の打球も一、二塁間を破り追加点を奪った。連打に沸き上がる応援席。仁平主将の父順一さん(40)は「主将としてチームを引っ張る1本を打ってくれてうれしい。最後の夏なので思いっきり暴れ回って」とエールを送った。

 斎藤投手は序盤から直球にスライダーやチェンジアップなどを織り交ぜる緩急自在の投球術で、付け入る隙(すき)を与えない。父功一さん(43)は「憧れの舞台に来られて親子ともどもうれしい。精いっぱい投げきり、悔いの残らない試合を」とマウンドの息子を見つめた。

 四回には矢吹栄希(2年)が、五回には仁平主将が、それぞれ適時打を放ってリードを広げていく。保護者らは「よくやった」と歓声を上げ、周囲とハイタッチを繰り返した。

 スタンドから見守った野球部員の高木陸さん(3年)は「自分たちのやってきた練習を信じ、ここまで来た。最後まで気を抜かず、精いっぱい頑張って」と声をからしながら九回まで声援を送り続けた。試合終了後、駆け寄るナインに「次の試合も頼むぞ」と温かい歓声と拍手が送られた。

 ◇助っ人演奏で鼓舞

 ○…聖光学院のブラスバンド部は部員4人と小所帯。甲子園出場が決まると、全校集会で応援の演奏者を募った。練習期間は2週間ほどしかなかったが、八、九回に演奏し続ける「男の勲章」をはじめ21曲をマスターして甲子園に乗り込んだ。1回戦はOGや顧問を含む16人でアルプス席から選手たちを鼓舞した=写真。試合後、柴田葵部長(3年)は「練習時間も人数も相手校より少ないと思うけれど、気持ちでは負けないと応援した」と笑顔だった。

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 ■白球譜

 ◇努力は報われる 松本聖也外野手 聖光学院3年

 1点先制し、なおも無死三塁。追加点がほしい二回の好機で、聖光の松本聖也外野手(3年)が打席に立った。狙い球の直球を思いっきり振り抜く。打球は一、二塁間を破った。

 ベンチ入りで唯一の「育成」出身だ。聖光学院は実力順にA、B、育成の3チームに分かれている。松本外野手は2年まで育成チームだった。

 「力がない」と自覚していた。だが2年生の時、同級生が甲子園のグラウンドに立つのを見て悔しさがこみ上げてきた。斎藤智也監督に「これまで試合に出ていなくても、レギュラーに入った選手がいる」と励まされ、「ベンチに入って甲子園に行く」と決意した。 昨冬は筋力の少なさを克服するため、ベンチプレスやデッドリフトなど「重さ」にこだわったトレーニングを積んだ。鍛え上げた体は、バットスイングに鋭さを与えた。今春に背番号「17」、夏の甲子園では「7」を手に入れた。

 苦しい時を支えたのは、育成からでも甲子園に出られるという信念。「まだまだこの甲子園で活躍したい。努力をすれば必ずチャンスがあることを後輩の育成選手へ伝えたい」【加藤佑輔】

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