<終戦記念日>15日を前に県内各地で催し 戦争体験、継承へ /静岡

 終戦記念日の8月15日を前に、県内各地でも平和について考える催しが開かれたり、企画されたりしている。当時を知る人たちが少なくなる中、戦争体験の継承への取り組みは戦後72年となる今年も続けられている。

 ◇原爆の悲惨さ知って 牧之原で被爆2世が講演

 原子爆弾の恐ろしさや戦争の悲惨さを知ってもらおうと、県内在住の被爆2世で作る「県原水爆被害者の会・二世部会」の磯部典子代表(66)=磐田市=の講演会が11日、牧之原市内で開かれた。約70人が磯部さんの話に耳を傾けた。

 磯部さんの父、杉山秀夫さん(故人)は陸軍の見習い士官として広島に出張していた1945年8月6日、爆心地から1・2キロの場所で被爆した。秀夫さんは「自分だけが生き延びて申し訳ない。一生、核兵器に反対する」として、59年に県原水爆被害者の会を設立し長く会長を務めてきた。

 講演では磯部さんが秀夫さんの被爆体験を紹介した後、今年採択された核兵器禁止条約に日本が批准しない方針であることを挙げ「被爆国としての責任を果たしていないのでは」と政府を批判。そのうえで「原爆は他の兵器と違って、戦後72年たった今も健康被害などが続く恐ろしい兵器だ」と訴えた。【松岡大地】

 ◇当時の生活を紹介 静大生が子どもらに授業

 静岡市葵区の静岡平和資料センターでは11日、「夏休み平和教室−センソウノキオク−」が行われ、静岡大教育学部の学生が小学生ら約10人に戦争についての授業を行った。

 同大3年の野田浩暉さん(20)の授業では、72年前の写真を使って、当時の生活を紹介。「疎開先の学校では、皆と同じくらいの年の子どもが竹やりで訓練をしていた」と説明した。実際に使用された軍服や、召集令状(赤紙)の写真などを見せながら「これは何だと思う」と問いかけながら話すと、恥ずかしがっていた子どもたちも積極的に参加するようになった。

 野田さんは授業後、「授業のために、自分も一から戦争について勉強した。子どもたちには難しい言葉を使わず、イメージしてもらいやすいように心がけた」と話した。参加した安東小6年の相川瑠菜さん(11)は「将来は学校の先生になりたいので、自分が生徒に教える時も戦争の怖さを伝えたい」と話した。【早川夏穂】

 ◇富士戦争展始まる 召集令状受領証など670点

 富士市蓼原町のロゼシアターでは11日から「第30回平和のための富士戦争展」(「富士戦争展」の会主催)が始まった。小林大八郎会長(83)は「30年の歴史をつないで来られたのは喜び。平和を勝ち取りましょう」と話した。16日まで、入場無料。

 同展は、市民運動の広がりで同市議会が1985年に採択した「核兵器廃絶平和都市宣言」を機に、88年に第1回が開催された。

 会場は、千人針や召集令状の受領証、焼夷(しょうい)弾の一部など約670点を展示。戦争体験者ら「語り部」の話も15日まで予定されている。来場した市内の高校1年の男子生徒(16)は「普段は見られない品が多く、関心が深まった」と話した。

 元高校教諭で事務局の加藤善夫さん(68)は「政治や社会の現状を考えると止められないが、会員の高齢化など課題も多く、若い世代につなぎたい」と語った。【高橋秀郎】

 ◇映画「この世界の片隅に」 裾野で15日上映会

 戦時中の広島に生きた女性の日常を描き、数々の賞を受賞したアニメ映画「この世界の片隅に」(片渕須直監督)の上映会が15日、裾野市深良の生涯学習センター3階学習ホールで開かれる。

 市民らでつくる市平和委員会主催、富士山すその9条の会共催。映画は広島県呉市に嫁いだ女性すずが主人公。原作者のこうの史代さんが膨大な資料や聞き取りを元に、当時の暮らしを忠実に再現している。

 上映は午前10時▽午後2時▽午後6時半の3回。当日券は大人1200円▽中高生1000円▽小学生500円▽小学生未満無料。同市内の市民文化センターと戸田書店で前売り券を購入できる。

 9条の会の溝口絹子さん(73)は「日常の暮らしを通して平和の大切さを描いた作品で、多くの人に見てもらいたい」と話した。問い合わせは溝口さん(055・992・5646)。【垂水友里香】

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