<信州取材前線>「イオンモール松本」来月21日開店 地元密着、前面に 激しい交通渋滞懸念 /長野

 イオンモール(本社・千葉市)が松本市中央4に建設中の大型商業施設「イオンモール松本」の開店日が9月21日と決まった。商業施設としては県内最大級の建物内にさまざまな種類の店舗が集まり、中信地方の商業環境を大きく変える可能性がある。一方、道路が狭い松本市の中心部に位置することから、周辺で激しい交通渋滞が起きるという懸念はなお残る。【小川直樹】

 「周辺の町並みに配慮し、観光都市・松本市の『まちなか回遊拠点』として、個性とにぎわいにあふれた交流空間を目指す」。7月28日、松本市内で開いた記者会見で、三嶋章男常務取締役営業本部長はこう宣言した。

 食品、ファッション、雑貨などの豊富な品ぞろえだけでなく、多目的ホール、イベント広場、健康づくりのためのウオーキングコースやヘルスケアコーナーなど、一般的なショッピングセンターとはひと味違う施設も備える。

 とくに強調するのが「松本らしさ」。昭和初期にこの地で栄えた製糸業の産業遺産である片倉工業の旧事務所棟を店舗内に復元し、生物科学研究所の建物を外に残す。店舗内には松本の歴史展示コーナーも設け、文化色を豊かにする。さらに、約170の専門店のうち、県内企業は39店舗入る。この割合について三嶋常務は「通常のイオンモールと比べると高い。いつも以上に地元企業の発掘に力を入れた」と強調した。復元された旧事務所には地元の「シックスセンス」がレストラン「ビストロヒカリヤ」を出店する。

 松本商工会議所の伊藤淑郎専務理事は「市内外から相当数の人が訪れる。モール周辺を回遊してもらい、市内の商店街にもメリットが出てくれるといい」と期待をかける。

 一方で、城下町という特性から、周辺道路が狭く、来店するマイカーが滞留し、交通渋滞が起きる心配はぬぐえない。菅谷昭市長は「できれば市民には公共交通機関を利用したり、歩いたりして、少しでも渋滞を防止することに協力してもらいたい」と求める。

 市は、周遊バス・タウンスニーカーの増便▽郊外に臨時駐車場を設け、パークアンドライド方式で客をイオンまで輸送する−−などの渋滞対策を講じる。イオン側も当初2000台だった駐車場台数を、従業員用の分を客用に振り分けて約2300台に増やした。さらに、市街地にある民間駐車場の利用券を買い物客に提供するサービスを期間限定で実施することを検討する。

 ただ、渋滞が激しくなればバスも巻き込まれて動けなくなる懸念がある。小さい子どもの手を引いた家族連れや高齢者がどれほどバスを使ったり、歩いて「回遊」したりするのかは見通せない。市、商工会議所とも「渋滞は必ず起きる」という認識だ。関係者が期待と不安を抱く中、開店が近づいている。

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 ■ことば

 ◇イオンモール松本

 2015年に閉店したショッピングセンター旧松本カタクラモールの跡地に出店。敷地面積約6万2500平方メートル、延べ床面積約9万7000平方メートル、総賃貸面積約4万9000平方メートル。核店舗のイオンスタイル松本などが入る「晴庭」▽フードモールの「風庭」▽シネマコンプレックスなどの「空庭」の3棟に分かれる。専門店は約170。県初出店は36店。売上高目標は公表していないが、年間約800万人の来店客を見込む。年中無休。

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