<もうひとつの動物園>守り・伝える/195 ライオン/57 /東京

 ◇仲間を助けたライン

 ウメとサクラの2頭が、カエデを襲った。息を凝らして見詰めていた北園飼育展示係長の谷口敦さん(50)が管理車両のエンジンを始動させるが早いか、茶色いかたまりが目の前を横切った。ラインが飛び出し、ウメに戦いを挑んだのだ。

 谷口さんは、サクラと取っ組み合い、沢に転落したカエデの無事を確かめようと急いだ。折しも監視室から「騒ぎに興奮したロッキーがカエデを迎え撃った。援護を頼む」と無線連絡が入った。ライオンバスにも、無線で「トラブルが発生したので管理車両の走行を優先してください」と指示があった。

 谷口さんは管理車両を走らせた。ライオンバスを追い抜き、まずカエデの無事を確認した。一喝すると力が抜けたようになったロッキーの姿を認め、ラインのいる場所にとって返すと、ラインがウメを追い返したことが分かった。ラインが初めて仲間を助けたのだ。

 ウメやサクラと違い、自分から攻撃を仕掛けることのないラインだが、これを境に変わった。牛の骨に夢中になっているクルミやカエデをウメやサクラが襲おうとすると、助けに駆けつけるようになった。「群れはこうしてまとまっていくのか」と谷口さんは思った。(ライオンバスは現在、運休中です)【斉藤三奈子】

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