<この体験記を書いた人>
ペンネーム:いいカモ男
性別:男
年齢:40
プロフィール:妻(38)と二人の子どもと暮らす会社員です。妻の母(63)は保険勧誘の契約社員を長く続けています。
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結婚する時からある程度のことは覚悟していました。
「私の母ねえ、保険の勧誘してるの、だから協力してあげてね」
当時20代だった新妻(現在は38歳)の願いを断れるほど「強気の夫」ではありませんでした。
「もう家族なんだからね」
新婚旅行のお土産を持って訪ねた妻の実家で、当時50代の義母(現在63歳)は契約用紙を準備して待っていました。
まあ、特に保険にも入っていなかった当時は、かけておいてもいいな、と思い契約しました。
しかし、その直後から...嵐が始まりました。
終身保険、医療保険、介護保険に火災保険、次々と契約書を作っては、新婚家庭のドアをたたくのです。
「みんな掛けてるわよ、もしもの時の貯えだと思えば、ねえ」
妻にも後押しされて契約を重ねました。
子どもが生まれれば学資保険に子ども用の医療保険と、まあ保険にはきりがないものだと感心するほどでした。
「新規契約を取り続けないとね、契約社員の立場は弱いから、助かるわあ」
そうほほ笑む義母に、まあ、別に掛けて悪いものでもないし、どうせ掛けるなら知っている人の方が心強いか、と考えていました。
「あれ? なんか引き落としが多い気が......」
結婚して数年が過ぎるころ、口座のお金の動きが妙なのに気が付きました。
「ああ、それ? お母さんに頼まれて......3カ月だけ新規の保険と契約がかぶっちゃうんだって」
妻はこともなげに言い放ちました。
私の終身保険を掛け替えるということは妻から聞いて知っていました。
契約内容が更新されて条件が良くなるという話でした。
「ただ架け替えただけじゃ成績には反映されないんだって......3カ月だけだから、まあいいかって」
いわゆる二重契約です。
契約者が納得の上(妻が、ということです)なので特に違反というわけではありませんが......。
「今月、厳しかったらしいのよ、だから協力してあげて!」
妻は義母の味方というわけです。
その後も、同じようなことがありました。
「なあ、先月、医療保険の引き落としがなかったんだけど」
「ああ、言うの忘れてた。再来月になったら掛け直すけど、一回保険切ったのよ」
「え? どういうこと?」
解約後、同じ保険を掛け直しても、間が3カ月を超えると新規として扱われるそうです。
「3カ月の間だけ病気しなければいいだけの話でしょ? 保険料も下がるらしいし、結果、お得なんだよ」
いや、聞いてないし。
幸いなことにこの無保険の間に大きな病気にかかることはなく、その意味では結果的に得をしたような形になりました。
「さすがはお母さん、プロの言うことは聞いとくもんね」
妻は感心しきりです。
ですがもしもこの間に事故にでも遭っていたら、同じことは言えないでしょう。
「お母さんも60過ぎたから、いよいよノルマがきついらしいの」
妻はそう言ってはばかりません。
「家族」ですから、義母の仕事への協力はやぶさかではありません。
しかし、こうも本人無視で勝手に進められているのは納得しがたい所です。
「ふう、今月はいつも通りだな」
ここ数カ月は口座に不審な動きはありません。
とにかく「保険をいじるにしても事前に相談を」と、事あるごとにお願いしているのですが、繰り返される「ドッキリ」に疑心暗鬼の日々です。