<この体験記を書いた人>
ペンネーム:恐妻家
性別:男
年齢:51
プロフィール:会社勤めの51歳の男性です。専業主婦の妻(50歳)との間に子どもは授からず、二人だけの生活を送っています。
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見合い結婚の妻(50歳)とは銀婚式を迎えました。
仕事を辞めて家事と育児に専念するはずだった妻との間に、残念ながら子宝は得られませんでした。
そのせいもあってか、妻は流行りに乗ってあれこれ手を出すのが趣味のようになっています。
家庭菜園が流行ると、猫の額のような庭いっぱいに野菜を植えて、悦に入っていました。
夫婦で鉄道旅行が流行ると、こちらの都合も聞かずに旅行の予約を入れて、急に仕事も休めずにキャンセルする羽目になって喧嘩をしたこともありました。
そんなある日のこと。
「え、これ、なんだ?」
「何って、『納豆づくし』メニューよ」
納豆とオクラの和え物、納豆入り巾着の煮物、納豆の味噌汁......その上、パック入りの納豆がそれぞれの膳に!
「毎日1パック以上食べてる人たちはね、心臓病にならないらしいのよ」
妻は得意満面です。
...そうです。
私を一番困らせているのが、この「健康食へのはまり具合」なのです。
専業主婦の妻は、日中は社会一般の奥様方と同様にワイドショーにどっぷりつかっています。
そうした番組ではよく特定の食品の健康効果が取り上げられ、「とにかく体にいい」というような情報を流していますが、それを見るたびに「妻の暴走」が始まります。
古くは「紅茶キノコ」に夢中でした。
その頃は家じゅうに瓶が並んでいて、毎朝付き合わされていました。
飲めば「ねえ、なんだか体の調子が良くない」などと言ってご満悦でした。
私の方は特に何も感じないのですが、妻は暗示にかかりやすいたちなのかもしれません。
カスピ海ヨーグルトもしばらく食卓に供されました。
乳製品そのものが苦手な私には、なかなかトラウマの日々でした。
しかし「せっかくあなたのために用意してるのに......」と機嫌を悪くするので、むげに断ることもできません。
バナナダイエットが騒がれたころは、山のようにバナナを買い込んで、毎日毎食バナナを食べさせられました(結果的に体重増になっていましたが......)。
DHA・EPAがもてはやされた頃はとにかく青魚でした。
決して魚嫌いではないのですが、アジやイワシばかりが出てくると、さすがに魚を見るだけでげんなりしてしまったものです。
私のために良かれと思ってしてくれていることは分かっています。
ただ、こちらの希望や好みは意に介さず、今夜は肉が食べたいと言っても「肉ばかり食べてる人は体内に活性酸素が増えてね...」などうんちくと共に却下される始末です。
流行りにのりやすい分、冷めるのも早く、件の紅茶キノコの瓶やヨーグルトの発酵容器は今や物置の邪魔者に成り下がっています。
今回の納豆づくしも流行り病と思ってあきらめるしかなさそうです。