冷たいものがしみる、と言った歯のトラブルで悩まれている方はいませんか? それは「強すぎる歯みがき」が原因かもしれません。前作『毒出しうがい』がベストセラーとなった歯学博士・照山裕子さんの著書『歯科医が考案 毒出し歯みがき』(アスコム)より「健康的な歯みがきの方法」をご紹介します。
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指みがきで唾液の分泌を促す!
加齢や薬の副作用など、ドライマウスの原因には、対処が難しいものが存在します。
ですから日々、意識的に唾液の分泌を促す習慣が重要になります。
そこでおすすめなのが「指みがき」です。
「指みがき」は直接口の中の粘膜を刺激することで、唾液の分泌を促すケアです。
「毒出し歯みがき」も口内を刺激するケアなので、ブラッシングよりも唾液の分泌を促すことができます。
しかし、口が渇くという自覚症状がある人は、「指みがき」をプラスしたほうがしっかりと口内をうるおわせることができ、おすすめです。
タイミングはいつでもかまいませんが、食事が飲み込みづらいと感じているなら、食前に行いましょう。
何かを食べるときは、噛みながら口の中で唾液と混ぜて、飲み込みやすい状態にしています。
飲み込みづらいのは唾液が少なく、噛んでも十分に湿らせることができないからです。
食前に「指みがき」を行い、唾液が増えた状態で食事をすれば、ふだんより飲み込みやすくなるでしょう。
高齢者のドライマウスは寝たきりの入り口に!?
ドライマウスは味覚障害の原因となることがあります。
味というのは、唾液が食べ物や飲み物の味成分を溶かし出し、舌の味蕾(みらい)という器官に運び、それが脳に伝わることで感じるからです。
味覚障害は、単に食事がおいしく感じられなくなるだけではありません。
糖分や塩分をとりすぎることで、新たな病気を招く可能性もあります。
また、味がわからなくなることで食欲が低下し、高齢者であれば体が弱ってしまうことも考えられます。
調味料を大量に足して家族にたしなめられるといったことから、食事が楽しくなくなってしまうこともあります。
ささいなことに聞こえるかもしれませんが、食事を楽しめるかどうかは、心身の健康に大きく影響します。
実際、高齢者の実に4割近くに味覚障害があり、そのうち45%くらいに体調不良があることもわかっています。
味覚に異常がない人のうち体調不良がある人は約7%なので、味覚障害と体調不良には大きな因果関係があるのではないでしょうか。
口腔(オーラル)の衰弱(フレイル)から、全身のフレイルへ進んでいくのです。
もし高齢の家族の食が進まなくなってきたら、「指みがき」で唾液の分泌を促すとともに、味覚障害の検査をおすすめします。

089-H1-rakusuruhuku.jpg全6章にわたって、歯の健康を保つための「毒出し歯みがき」のやり方や、オーバーブラッシングの弊害などを一つひとつ丁寧に記した一冊

照山裕子(てるやま・ゆうこ)

世界でも専門家が少ない「顎顔面補綴」を専攻し、日本大学歯学部付属歯科病院、東京医科歯科大学歯学部附属病院で積んだ臨床経験から予防医学の重要性を提唱。自ら考案した「毒出しうがい」を書籍化し13万部のベストセラーに。現在、都内の歯科クリニックで診療する傍ら、多数のメディアにも出演。