<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ミクタギ
性別:男
年齢:52
プロフィール:会社員、シンパパです。気が付けば、早、半世紀の時を駆け抜けてしまいました。おまけの人生楽しみます。
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今月、23歳の次女が結婚しました。
大学を卒業後、まだ1年も経っていません。
先月の末、お相手の彼氏さんと挨拶に来たいと連絡がありました。
お相手も次女と同い年です。
長女はお互い社会に出たばかりだから、もっと落ち着いてからで良いのではないかと強く反対していました。
私もどちらかというと長女の考えに近かったのですが、当人同士の問題なのである程度仕方ないと思っていました。
我が家は、いわゆる「父子家庭」です。
およそ11年前、元妻との離婚が成立したのはまだ長女が17歳、次女が12歳の時でした。
事情があって私が二人を引き取り、三人での生活が始まりました。
ママっ子だった二人にはとても辛い経験だったと思います。
私は、日々の生活を「仕事中心」に送ることしか出来ず、二人に何もしてあげられないまま、現在に至ったように思います。
姉妹二人は、仲が良いときもあるのですが、基本的には喧嘩ばかりで、罵りあうことも少なくありません。
結局、長女とは一緒に暮らしていますが、次女は大学を出ると函館に彼と行ってしまいました。
二人はあまり連絡を取っている様子もなく、こうやって家族はバラバラになってしまうんだなと少し寂しい思いでいました。
そんな中、次女からの結婚の話があったのです。
長女も含めての話し合いが、どのようになるのか...不安で一杯に。
心も決まらないまま顔合わせの日はやってきました。
予約しておいた飲食店の個室で、私・長女・次女・次女の彼氏の4人での顔合わせ。
次女から紹介された彼氏さんは、なかなかの好青年です。
緊張した面持ちで、彼氏さんがこう切り出しました。
「今日は、お忙しい中、お時間頂きましてありがとうございます。お二人が僕たちの結婚に賛成ではないということは、娘さんから聞いています。しかし、二人でこの先も一緒に頑張っていこうと誓い合いました。納得できない部分もあると思いますが、認めていただけないでしょうか」
そう話すと彼は頭を下げました。
結婚するのは良いが、何故今なのか? 
もっと落ち着いてからでも良いのではないか? 
そう尋ねると、次女が答えます。
「二人は結婚することを決めている。その状態でダラダラ同棲生活を続ける方が、だらしないと思う」
我儘ばかりで子供だった次女が、こんなにはっきり自分の意見を言うのを初めて聞きました。
すっかり納得した私が長女に、何か意見があるか聞くと、今まで黙っていた彼女が、一つだけ聞きたいことがある、と彼氏さんを見つめて尋ねました。
「あなたはまだ若い。これから色んな人に出会うでしょう。それなのになぜ妹に決めたのか? それを教えて欲しい」
彼氏さんは、静かに答えました。
「彼女から、ご家庭の事情は聞いています。辛い思いをしたからあたたかい家庭を作りたい。その熱い思いを聞いて、僕が彼女を守ってあげたいと心から思った。それが理由です」
私は...感動しました。
この青年なら次女を幸せにしてくれるに違いない。
そう思い長女を見ると、涙を流していました。
それを見て冷やかしていた次女も、結局泣きだしてしまいました。
「ありがとう。娘/妹をよろしくお願いします」
私と長女、揃って泣き笑いです。
接点がないと思っていた姉妹。
ちゃんと繋がっていました。
そして二人ともしっかり成長していました。
素敵な彼氏さんも含め三人の若者を頼もしく思い、一つ肩の荷が降りた思いがしました。