つらい腰痛...痛みを怖がって、安静にしている方も多いのではないでしょうか。でも、ひょっとするとそのことが、腰痛をより長引かせ、再発させたりしているかもしれません。そこで今回は医学博士である松平 浩(まつだいら・こう)先生に辛い腰痛を和らげる3つのポイントと、予防や改善に役立つ体操について教えていただきました。
pixta_49198886_S.jpg
積極的に体を動かして痛みを和らげる
腰痛の改善方法には「腰痛を和らげる3つのポイント」(下記参照)があります。
その中で、松平先生が体操をすすめる理由は二つあります。
「一つ目は、体を動かせばずれた髄核を元の位置に戻せるからです。二つ目は、痛みのせいで硬くなった腰の筋肉が柔軟になり、血流も改善するからです」
また腰痛を防ぐには、腰への負担を減らすことも重要です。体操を行い太ももや上半身の筋肉の柔軟性を高めれば、腰にかかる負担を分散できます。
腰痛を和らげる3つのポイント
1.痛くても安静にし過ぎない
動作のたびに腰が痛むと、動くのがおっくうになることがありますが、なるべく普通に動いた方が治りやすいです。
2.腰痛を怖がらない
腰痛を怖がってしまうと、痛みを和らげる脳内物質の分泌量が減り、痛みが強くなることがあります。
3.毎日、体操を行う
腰痛を軽減したり予防するには、積極的に動くことが大事です。腰に良い体操を毎日の習慣にします。
上記3つのポイントをしっかり押さえて、5種類の「腰ほぐし体操」を行いましょう。
体操の途中で痛みを感じたときは、無理をしないで体操をやめてください。
① 基本形/体操の前に行う「これだけ体操」
922fae0db0552df73f557d314f9f139e240ebc3f.jpg後ろにずれた髄核を椎間板の中央に押し戻します。腰痛の予防と治療の両方に効果があります。
[行う目安]
・毎日行う
・予防として:押し込んだまま3秒間保つ×1〜2回
・治療として:押し込んだまま3秒間保つ×10回(徐々に手で腰を押す力を強くする)
特にあごをひくこと、手でしっかり骨盤を押し込むことを意識してください。



腰周りのストレッチ「これだけ体操(横バージョン)」
2003p037_01.jpg2003p037_02.jpg
足を組んだり片手で荷物を持ったときなどに生じる体の左右のゆがみを整えて腰の負担を軽減。
[行う目安]
・3日に1回行う
・右か左で曲げにくい側のみ5秒間保つ×5回(徐々に手で腰を押す力を強くする)
・最後に「これだけ体操(基本形・上記参照))」×1回


② 股関節周りのストレッチ「太もも裏伸ばし体操」
2003p037_04.jpg太ももの裏側の筋肉を伸ばし、骨盤を正しい位置に収まりやすくして、腰痛を予防します。
[行う目安]
・1日1回行う
・10秒間保つ×左右1回ずつ(慣れたら20〜30秒間保つ)


③ 腰部脊柱管狭窄症の座骨神経痛に効くストレッチ「ひざを抱える体操」
2003p038_02.jpg
ひざを抱えて腰をかがめた状態で、腰の神経の圧迫を和らげます。2〜3週間続けると効果があります。
[用意するもの]
・いす
・マット
・枕 など
[行う目安]
・毎日行い2〜3週間続ける
・[①を10分間+②を1分間]×3回×1日2〜3セット



④ 体幹を強くして腰の負担を減らす「腕・足上げ体操」
2003p039_02.jpg
腰に負担をかけないように良い姿勢を保つため、体の深部にある筋肉を鍛えます。
[用意するもの]
・マット
[行う目安]
・3日に1回行う
・10秒間保つ×左右3回ずつ×3セット


⑤ 上半身が安定して腰痛軽減!「太もも付け根伸ばし体操」
0440118f05246c106d8923300bb8f410b89a65d0.jpg
前かがみの姿勢をとったことによる腸腰筋の緊張をほぐします。腸腰筋を伸ばすことで、上半身が安定し腰痛を軽減します。
[用意するもの]
・マット
[行う目安]
・1日1回行う 
・10秒間保つ×左右1回ずつ(慣れたら20〜30秒間保つ)

取材・文/松澤ゆかり 撮影/西山輝彦 モデル/永谷佳奈

医学博士
松平 浩(まつだいら・こう)先生

東京大学医学部附属病院22世紀医療センター運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座長、特任教授。医学博士。著書は『3秒から始める腰痛体操&肩こり体操』(NHK出版)など。