「最近、なんだか眠れない」と悩んでいませんか? 1万人を治療した睡眠専門医の白濱龍太郎さんは、眠りを妨げる原因の一つは「いびき」だと、言います。その白濱さんが新提案する「いびき改善メソッド」が集約された著書『睡眠専門医が考案した いびきを自分で治す方法』(アスコム)から、いびきを治す方法をご紹介します。
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いびきをかきやすい人とは、どんな人か
いびきの防止を考えることは重要ですが、その前に、皆さんはそもそもいびきがどういうものなのかご存知でしょうか?
いびきは、鼻やのどなどの気道が狭くなったところを、呼吸時に空気が無理やり通り抜けようとする際に音が鳴る物理的な現象です。
窓を全開にしたところに風が吹き込んできても音はしませんが、窓をちょっとだけ開けた状態だとビュービュー音がする、という状況に置き換えて考えるとイメージしやすいでしょう。
主な原因は身体的なもので、骨格や体型が大きく影響してきます。
骨格的にあごの小さい人、舌や口蓋垂(こうがいすい―のどちんこ)の大きい人、扁桃腺が腫れやすい人はとくにいびきが出やすいとお考えください。
後はなんといっても肥満。
太ると首周りなど体内に脂肪がつき、それによって気道が狭くなり、よりいっそういびきをかきやすくなります。
やせているからといって、いびきをかかないわけではありません。
見た目にはスリムな体型でも体内に脂肪がついている人はたくさんいますし、シャープな顔つきでも生まれつき舌や口蓋垂が大きかったり、アデノイド増殖症(咽頭扁桃という鼻の奥のリンパ組織が肥大する病気)という、いびきの原因になる病気を患った経験のある人もいます。
子供のときに歯の矯正をしたことにより物理的にあごが小さくなり、いびきが出やすくなってしまうというケースもゼロではありません。
そして、加齢にともなっていびきをかく人の割合は上昇していきます。
人間は年をとると筋肉が衰えていきますが、それが舌にも影響してくるからです。
舌の筋肉が緩くなると、舌がのどの奥に入っていってしまう舌根沈下という現象をまねき、気道が狭くなっていびきが出ます。
これは、やせている、太っているとは関係なく、年をとれば誰にでも起こり得ることです。
統計上、いびきをかくのは圧倒的に男性のほうが多く、それは皆さんのイメージ通りだと思いますが、女性だからといって安心はできません。
女性の場合は、閉経後に急激にいびきをかきやすい体質になります。
なぜなら、女性ホルモンの減少により相対的に男性ホルモン優位になり、男性化が進むからです。
50歳前後の年代で、更年期を迎えた女性は、知らず知らずのうちにいびきをかきやすくなっているということを認識しておきましょう。
いびきについては、現代の医学をもってしても、わかっていないことはまだまだたくさんありますが、明らかになっている原因を排除していくことが、いびき防止につながっていくことは間違いありません。
舌の筋肉を鍛えるためのトレーニング。
気道をなるべく狭くしないための睡眠姿勢。
快眠をもたらすための食生活。
そして、肥満解消。
これらはすべて、いびきに対して大きな効果を発揮してくれるのです。

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簡単3ステップでいびきを改善できるメソッドを全5章にまとめた一冊!

白濱龍太郎(しらはま・りゅうたろう)

睡眠、呼吸器内科、在宅医療の専門クリニック「RESM新横浜」院長。睡眠の質や無呼吸症候群などの睡眠にまつわる病気を診断するために最新の医療機器を導入し、専門医療を提供。睡眠に関する著書多数