アメブロで「〜こんな事を言っちゃあなんですが!〜」を運営しているかづと申します。
現在は夫婦二人と3ニャンとで暮らしています。
今から36年以上前の、結婚当初のことを思い出しながら書いています。

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姑がうちに来た翌日、言われたとおりに朝食はパンにした。
姑は食パンが5枚切りだったのが気に入らなかったらしく、明日からは6枚切りを用意するように言われる。
それをはじめに、姑は一日中暇なせいか、私が家事に手を抜くことなくずっと動いていないといけないかのように見張った。
それでも数日の辛抱なんだと自分に言い聞かせた。
夫を見送った後息子を幼稚園に送り、舅姑のいる家に帰るのは気が重かった。
舅姑に用意した部屋にはテレビがあったので舅はほぼ一日中テレビを見ていたが、私が帰るや否や、姑は何かを思い立ったかのようにリビングの電話台の所に椅子を置き、どこかに電話をかけ出した。
どこに電話をかけているのか知らないが、ずっと見張られているよりはマシだった。
そんなに広い家でも無い上に、電話をかけている姑の声は大きく、なにやら相手は友達のようだ。
「それがねー全然大丈夫やねんけど、
 息子がどうしても面倒見たいからって言うてくれて―
 そーそ―! 今息子の家からやねんけどね。
 うん、主人も一緒♪
 ほら〜、せっかく面倒を見させてくれって頼むもんやから、
 これも子供孝行って言うん?
 あんまり無下に断っても息子に気の毒やん?
 そこまで言うてくれるんやったらって事で、
 世話になってあげに来たってんねん。
 この際、ご飯が少々不味ぅても?
 あははは!
 あっちこっち掃除が行き届いてぇへんでも?
 あはははは!
 そー!そー! 目ぇつぶったらんとなぁ〜」

キッチンとリビングは続きになっているので、私が朝食の洗い物をしている時も、ベランダに洗濯を干すのにリビングを通る時も、姑は大声で喋っていた。

息子が面倒見させてくれって言って頼んだって?
面倒見させるのが子供孝行だって?
お前の息子は箸一つ運びもせぇへんのに、何言ってやがる!

午前中だけで3時間は電話をしていた姑。
昼食をとった後、再び舅は部屋に戻ってテレビか昼寝。
そして姑も再びリビングの電話台まで椅子を持って来て電話をかけ出し、別の友達であろう相手に午前中と同じ内容を話してる。

「そーやねん! 全然大丈夫やねんけど
 息子がどうしてもって言うもんやから、
 子供孝行やと思って―!
 ご飯が少々不味ぅても―!
 掃除が行き届いてへんでも―!」

相手もまさか横に嫁が家事しながらウロウロしているとは思ってもいないだろう。
それほど大きい声で電話をしているので、恐らく相手は嫁は留守だと思っているに違いない。

午後からの電話は2時間ほどを2件、合計4時間ほど喋っていた姑。
子供が幼稚園から帰って来たので電話を切ったが、この電話は翌日も翌々日も続いた。
電話の最初が「久しぶりー。何年ぶり?」と姑が言い、話しの中に「いつも年賀状ばっかりやもんね」と言っていたので、普段からの付き合いの無い昔の知り合いらしかった。
毎回毎回同じ話しを私に聞かせる様にリピートして、本当に嫌がらせが生き甲斐なんだろう。

その日も午前と午後とたっぷり6〜7時間電話で色んな所に電話をかけては喋っていた姑。
「いや〜久しぶりの懐かしい人らと喋れて楽しかったわ〜
 家からやと通話料金もかかるし滅多にこんな長電話出来へんからねぇ。」
午後の電話が終わった姑がこう言った。
「お友達ですか?」
私は思わず聞いた。
「うん♪女学校時代の友達。
 北海道と東京と千葉と横浜と九州に結婚して嫁いだ友達♪」
連日の長電話先とニッコリ笑った姑の顔に、目の前が真っ暗になった。
続く

かづ

​ブログ「〜こんな事を言っちゃあなんですが!〜」の管理人で、Ameba公式トップブロガー。 ​基本専業主婦の​50代​。子育てが終​り、​夫と4ニャンと暮してい​る​結婚36年目です。 ​一人っ子の夫と結婚し、舅姑の理想の嫁でなかった私の結婚生活においての戦いを思い出しながら書いています。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。