デロイト トーマツ グループの「企業のリスクマネジメントおよびクライシスマネジメント実態調査2019年版」(日本版)によると、国内で最も優先すべきリスクの1 位は「地震・風水害等、災害の発生」が43.4%で、4年連続最多となっている。

台風や地震などの自然災害は、毎年のように発生しているが、昨年は深刻な台風被害が相次いだこともあって、災害リスクに対する企業の意識が高くなっているようだ。

2位には、前回に続いて「人材流出、人材獲得の困難による人材不足」が31.1%で増加傾向を示しているが、社会問題ともなった「過労死・長時間労働等労務問題の発生」は前回の7位から、ランキング圏外の11位まで低下している。

コンプライアンス対応を目的とした働き方改革が進むものの、企業にとっては、人材不足をリスクと考えていることが明らかになった。2020年版には、新型コロナウィルスの感染拡大もランクインしてくることになるかもしれない。

さて、自然災害などの被害に対するリスクマネジメントやクライシスマネジメントはどうなっているのだろうか。

過去にクライシスを経験した198社に、クライシス発生時の対処ステージ(初動対応〜事態沈静化)までの成功要因を3つまでの選択形式で聞いたところ、最も多かったのは「トップのリーダーシップ、トップダウンでの迅速な意思決定がなされた」(54.0%)である。

続いて「クライシス発生に備えた事前の組織の枠組みができていた」と「情報収集・伝達ルートと収集情報の分析・判断のルールが整備されていた」が、ともに42.4%となっている。

失敗要因は、前回に引き続き「クライシス発生に備えた事前の準備ができていなかった」が37.9%と最も多く挙げられている。

つまり、クライシス発生に備えた事前の準備、リーダーが指導力を発揮することが、クライシス発生時の初動対処に、大きくかかわってくるということである。

自然災害を含め、企業活動に影響を及ぼすようなリスクは、いつ襲ってくるかわからない。それだけに、リスクマネジメント担当者は、万が一に備えた準備を整えておく必要がありそうだ。