厚生労働省は6月19日夕方、新型コロナウイルス感染者と濃厚接触した可能性がある場合に知らせるスマートフォン向けアプリ「COCOA」を公開しました。

ところが、公開直後から早くも不具合によるトラブルが発生するほか、効果にも多くの声が出ています。

6月29日時点でダウンロード数472万件

新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」は、スマートフォンを持っている人どうしが15分間以上、1メートル以内に近づくと、相手のデータを互いに記録します。

もし、利用者に新型コロナウイルスへの感染がわかると、保健所から発行される処理番号をアプリに入力することで、接触が記録された相手に濃厚接触の疑いがあると通知されるというものです。

公開初日に179万件、6月29日17時までに、およそ472万件がダウンロードされたそうですから、大いに期待されていたといえるでしょう。

不具合が続出の接触確認アプリ

ところが、保健所から感染者に発行される処理番号を、誤った数字をアプリに入力しても、本来は「失敗」と表示されるはずなのに、正しく登録できたことを示す「完了」と表示されてしまう不具合が見つかりました。

これでは、接触確認の目的を果たすことができず、厚生労働省はアプリの修正をするということですが、修正が終わるまで感染者の番号の発行は行われません。つまり、接触の通知も行われませんから、何のための接触確認アプリなのか、ということになります。

加藤厚生労働大臣は、「次の感染拡大に備えて、最初のバージョン(試行版)をリリースしたが、不具合については改善作業を進めており、作業が終了した時点で、修正版としてアプリを更新したい。それほど時間をかけずに対応したい」と、記者会見で述べていました。

国民の6割が利用することで効果を発揮?

リリース直後から、さまざまな不具合の修正に追われていますが、利用開始日が毎日、その日の日付にアップデートされてしまう不具合もその一つです。

ところで、この接触確認アプリが効果を発揮するのは、国民の6割が利用することとされています。日本の人口を1億2,000万人として計算すると、6割というのは約7,000万件のダウンロード数が必要となります。

ところが、この6割にも異論があるようです。オックスフォード大学の研究チームは、新型コロナ接触確認アプリの「普及率6割必要は間違い」という研究結果を発表しています。

何のためのアプリなのか?

感染者と濃厚接触をした可能性があると通知を受けた後の対応についても課題があるようです。

通知を受けると、質問に回答することになっていますが、答え方によっては、PCR検査を受けられない可能性もあるからです。専門家や保健所関係者からも、「何のためのアプリなのか」と疑問が投げ掛けられているようです。

また、感染が判明した本人が、保健所から発行される処理番号をアプリに入力しなければ、濃厚接触の可能性がある人に通知されることもありません。

リリースはしたものの、本格的に機能させるには、不具合の修正に加え、仕様に関する疑問や効果の指標など対応すべき課題はまだまだ山積みと言えるでしょう。

まとめ

世界各地の感染者数は、まだまだ増えていますが、経済活動を再開し、規制されていた国と国の往来も緩和する動きが広がっています。秋には第2波、第3波が襲ってくるとされているだけに、政府には抜本的な対策を望むとともに、個人それぞれでも出来る対策は継続し行っていくことが求められるでしょう。