株式会社東洋経済新報社は「会社四季報」の記者が全上場企業に取材を実施し、独自の今期および来期の業績予想を発表した。会社四季報の業績予想では、上場企業の今期(20年4月期〜21年3月期、対象3,360社)営業利益は16.0%減と、前期の23.7%減に続き2期連続で2桁減益という厳しい見通しとなっている。

下期に業績回復が見込めそうな企業が多いことから、7月以降に緩やかに回復に向かうという見通しを立てているものの、「上場企業全体として業績が本格回復といえるようになるのは、来期に持ち越し」というのが、四季報の業績予想である。

今期の特徴は、コロナ禍の悪影響が、幅広い業種に一挙に及んだことである。前期と比較すると製造業の減益率が非製造業を上回っていたが、今期は製造業の11.6%減益に対し、非製造業の減益率は20.5%と逆転している。

銀行、保険を除く31業種で、営業増益となるのは情報・通信業、医薬品、証券業の3業種で、黒字転換となったのは石油・石炭製品のみである。

一方、赤字転落となるのは、空運業をはじめ鉱業、輸送用機器、陸運、小売り、サービスなどで、2桁減益となるのは20業種に上るという見通しだ。

逆にコロナ禍が追い風になっているのは、IT大手、システム会社、半導体製造装置、ネット接続サービス関連で、電子商取引の拡大により保管搬送システムや決済・セキュリティなどネットのインフラ企業にも、商機が訪れている。

また、衛生意識の高まりから、トイレタリー需要も拡大し、ドラッグストア大手の業績は最高益を更新する勢いだ。巣ごもり消費によって、食品業界やゲーム業界もコロナ禍の追い風を受けているようだ。

決算実績および業績予想を市場別に集計していくと、IT関連企業が比較的多い新興市場が8.8%の増益予想と健闘し、業績予想の伸び率の高い企業を並べると、新興市場、JASDAQに上場する企業が数多く上位にランクインしていることがわかる。

いずれにしても、緊急事態宣言が解除となり経済活動が再開したものの、元の状態に戻るには多くのハードルがある。ビジネスパーソンは、むしろ、withコロナを意識した仕事への取り組みが求められることになりそうだ。