2020年8月現在、東京を中心に新型コロナウイルスの感染拡大が急速に進んでいます。多くの人々が日常生活や働き方を大きく変えられ、不安な毎日に。なかでも、平常時以上に落ち着かない思いで過ごしているのが、育児休業中のパパママではないでしょうか?保育所の入所が内定している人も保活中の人も、「この先どうなるのだろう?」という心配な気持ちは同じです。

「子どもへの感染リスクが怖いので、できれば育児休業を延長したいけれど、可能だろうか?」と思う人は少なくないはず。そこで、本記事では“コロナ禍の育児休業延長事情”をご説明します。

「育児休業」と「育児休業給付金」をおさらい

まずは、「育児休業(以下、育休)」と、その休業期間中に受給できる「育児休業給付金」について、改めておさらいしましょう。

「育休」は、子どもが1歳(一定の場合は最長で2歳)に達するまで、申し出により休業の取得が可能な制度です。また、両親共に育休を取得する場合は、子どもが1歳2か月に達するまでの間の1年間、休むことができます(パパ・ママ育休プラス)。さらに、産後8週間以内の期間に夫が育休を取得した場合は、特別な事情がなくても、申し出により再び夫は育休を取得できます(パパ休暇)。

育休は通常、育児・介護休業法に基づき、保育所などに入所できない場合に限り、子どもが1歳6か月まで延長することが可能で、再延長は2歳までです。

育休の取得には、以下の要件を満たす必要があります。

①同一の事業主に引き続き1年以上雇用されている

②子どもの1歳の誕生日以降も引き続き雇用されることが見込まれる

③子どもの2歳の誕生日の前々日までに、労働契約の期間が満了しており、かつ、契約が更新されないことが明らかでない

そして「育児休業給付金」は、民間企業に勤めている人が育休中に受給できる給付金です。休業開始前の賃金の67%、6か月以降は50%が、雇用保険(国)から支給されます。ちなみに、公務員が受給する育休手当は「育児休業手当金」と呼ばれています。

育児休業給付金の受給要件は、「育児休業を開始した日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月が通算して12か月以上」です。

なお、本記事でご説明している「育休」とは、育児休業給付金が貰える休業期間のこと。企業によっては、育児のための休業を3年以上取得できるところもあります。この場合、雇用保険から支給される育児休業給付金は最長2年で、残りの1年は育児休業給付金なしとなります。

新型コロナウイルス対策での育休延長はどうなる?

2020年8月1日時点で、一部の保育所で新型コロナウイルス感染者発生による休園が出ています。現在、育休中で保育園入所を予定している保護者の多くは、大事なお子さんを登園させることに不安を感じているでしょう。

では、コロナ禍での育休延長は可能でしょうか?答えは、条件次第で可能です。その条件とは、①子どもの年齢 ②復帰前 ③市区町村等から保育所への登園自粛要請。特に、大きなポイントになるのが③です。

厚生労働省はこのたび、すでに保育所入所が決まっている場合でも、新型コロナウイルス感染防止対策として市区町村等から保育所への登園自粛要請があれば、育休を延長できるように緩和しました。ここでは、「登園自粛要請ありの人」「登園自粛要請なしの人」に分けて、育休延長の可否をご説明しましょう。

●「登園自粛要請ありの人」「登園自粛要請なしの人」共通で認められている育休延長

子どもが1歳までの場合、現在育休中であれば、事由を問わず、育児休業の終了予定日の繰下げ変更(最長1歳まで。「パパ・ママ育休プラス」なら最長1歳2か月まで)を申し出ることができます(法令上は1か月前までに申し出ること、1回に限り変更可能ですが、労使で十分に話し合うこと)。

●「登園自粛要請ありの人」だけが認められている育休延長

育休から一度復帰している場合でも、再度の育休(最長1歳まで。「パパ・ママ育休プラス」なら最長1歳2か月まで)を申し出ることができます。

さらに、子どもが1歳または1歳6か月になるときに、引き続き育休を取りたい場合には、1歳からの休業であれば最長1歳6か月まで、1歳6か月からの休業であれば最長2歳までの育休を申し出ることが可能です。

上記は、「すでに保育所への入所が内定している保護者」向けの育休延長です。では、いわゆる“保活中”で、通常の定員などの理由でまだ保育園から入所内定が出ていない保護者はどうでしょうか?こちらは通常時と変わりません。復帰前に限り、最長2歳まで育休再延長可能です。

以上から、「入所内定している登園自粛要請ありの人」と入所内定なしの人は最長2歳まで、「入所内定している登園自粛要請なしの人」は最長1歳まで(「パパ・ママ育休プラス」なら最長1歳2か月まで)、となります。

コロナ禍により、平常時より保育所入所・通園が難しい状況ですが、仕事復帰を考えている保護者は、自身の育休延長条件を踏まえて今後の方針を決めるべきです。特に、まだ保育所入所の内定が出ていない人は、延長・再延長を見据えつつも、“2歳”のタイムリミットを意識して、積極的に保活に臨みましょう。

※本記事でご紹介している情報は、2020年8月1日時点のものです。今後、各種条件などが変更になる可能性がありますので、常に最新情報をご確認ください。

参照:

育児・介護休業法について - 厚生労働省

育児休業制度とは - 厚生労働省