人気アニメ「プリキュア」(ABC・テレビ朝日系)シリーズの第16弾「スター☆トゥインクルプリキュア(スタプリ)」が、1月26日午前8時半放送の第49話で最終回を迎える。「プリキュア」はシリーズの伝統を受け継ぎながら、時代に合わせて進化、挑戦してきた歴史がある。最終回を前に「多様性が当たり前の世界」を描こうとしてきた「スタプリ」の挑戦を振り返る。

 ◇みんな違うから楽しい!

 「プリキュア」シリーズは、普通の女の子がプリキュアに変身し、さまざまな困難に立ち向かう姿を描く人気アニメ。2004年に第1弾「ふたりはプリキュア」がスタートした。「スタプリ」は、宇宙と星座が大好きな星奈ひかるが、プリキュアに変身して、宇宙の支配をもくろむノットレイダーと戦う姿を描いている。

 「スタプリ」放送開始時に登場した4人のプリキュアは皆、肌の色が異なる。同作を手がける東映アニメーションの柳川あかりプロデューサーは、放送を前に「多様性が当たり前にある世界を描きたい。ただ、多様性を強調しないようにしています」と語ったことがあった。

 最終回直前となる1月19日放送の第48話で、シリーズ初の宇宙人プリキュアとなったキュアミルキー(羽衣ララ)の印象的なせりふがあった。プリキュアが敵となったへびつかい座のプリンセスと戦う中で、ララは「みんな違うイマジネーションを持っている。だから、宇宙は楽しいルン!」と叫ぶ。

 ララは、地球でひかるたちと出会い、異文化に触れ、多種多様な価値観があることを知り、戸惑いながらも価値観の違い、文化の壁を超えて、成長してきた。「スタプリ」で描こうとしたのは、「みんな違う」ことを自然に受け入れる世界だったのかもしれない。

 「スタプリ」には「イマジネーション」という言葉がよく出てきた。想像力を働かせれば「みんな違う」ことを自然に受け入れられるはず……と教えてくれたのかもしれない。

 ◇多様性はシリーズの伝統

 「プリキュア」シリーズが多様性を描くのは「スタプリ」が初めてではない。2018〜19年放送の第15弾「HUGっと!プリキュア」は、大人も男の子も誰でもプリキュアになれることを明示するなど多様性が一つのテーマになった。さらに、さかのぼると第1作「ふたりはプリキュア」から多様性を描いてきた。

 昨年3月に開催された国際会議「第5回国際女性会議WAW!/W20」のパネルディスカッション「多様性を育てるメディアとコンテンツ」で、シリーズの生みの親ともいわれる東映アニメーションの鷲尾天プロデューサーが多様性について語ったことがあった。

 第1弾「ふたりはプリキュア」を企画した際を「当時、子供向けアニメは、女の子らしくあることがテーマの作品が多かった。それは違うんじゃないか?と西尾大介監督と話し合っていた」と振り返り、2009年公開の劇場版アニメ「映画 プリキュアオールスターズDX みんなともだちっ☆奇跡の全員大集合!」について「敵のモチーフはグローバル化。なんでもかんでも画一的になる中で、それぞれ個性のあるプリキュアが戦う。監督やスタッフが、これは正しいはず!とメッセージを込めた。子供が分からなくても、10、20年後にこういうことだったんだ……と分かってもらいたかった」と語った。

 「スタプリ」は、シリーズの伝統を受け継ぎつつも、挑戦してきた。最終回で「多様性が当たり前の世界」のさらにその先を見せてくれるかもしれない。