「スタートアップワールドカップ2024」の京都予選の表彰風景、前列左から4人目がヘラルボニーの松田文登代表取締役

スタートアップのピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ2024」の京都予選が2024年5月21日、京都大学百周年記念ホール(京都市)で開催され、知的障害のある作家のアート作品をデータ化するとともに著作権の管理などを行うヘラルボニー(盛岡市)の松田文登代表取締役が優勝トロフィーを手にした。

同社は2024年10月に米サンフランシスコで開催される決勝大会に、東京予選(7月19日開催予定)と、九州予選(8月27日開催予定)の優勝企業とともに日本代表として出場する。

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スタートアップのピッチを1500人が観戦

京都予選は米国のベンチャーキャピタルであるペガサス・テック・ベンチャーズ(カリフォルニア州)が、京都大学経営管理大学院と共同で開催、126社の応募企業の中から書類審査を通過した12社がプレゼンを行った。

会場には大企業の担当者や投資家、登壇スタートアップ企業の関係者ら約500人(オンラインを含め1500人が観戦)が訪れ、スタートアップが生み出した新しい技術やサービスの説明に聞き入った。

優勝したヘラルボニーの松田氏は 「へラルボニーは知的障害のある四つ歳上の兄が7歳の時に自由帳に書いていたなぞの言葉で、それをそのまま社名にした。障害のある方は心で面白いと思っていてもなかなか言語化できない。これを言語化していける会社でありたいと考え、社名をへラルボニーにした。グローバルな新たな価値観を作ってきたいと強く思っており、決勝では全力でピッチをし、優勝を目指したい」とあいさつ。

またコンテストに先立ち「日本の大企業とベンチャーのコラボレーションが必須」をテーマに登壇したジャパネットホールディングス(長崎県佐世保市)の髙田旭人社長は「スタートアップには強い思いを持った方と、これなら勝てるというロジックを持った方がおられる。中には思い先行でロジックがついてこない方や、ロジックを楽しんでいるが思いがない方がおられるが、出資側としてはバランスのいい経営が重要だと感じている」と、スタートアップの経営にアドバイスを送った。

「スタートアップワールドカップ2024」京都予選で登壇したパネットホールディングスの髙田旭人社長
「スタートアップワールドカップ2024」京都予選で登壇したパネットホールディングスの髙田旭人社長

日本3カ所で予選を実施

スタートアップワールドカップは、2017年に第1回目が開催され、今回が6回目。京都での予選開催は昨年に続く2回目で、九州予選は今年が初めて。

世界100ほどの国と地域で予選が行われ、3万社以上のスタートアップがエントリーを行い、各地の予選を勝ち抜いた企業が米国での決勝大会で、優勝投資賞金100万ドル(約1億5000万円)を競い合う。

​合わせてスタートアップワールドカップ日本予選の主力スポンサーであるジャパネットホールディングスと、セガサミーホールディングス<6460>の両社が、日本予選の全応募企業の中から、それぞれ1社に特別賞として5000万円ずつを出資する。

文:M&A Online

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