ふるさと納税の制度をめぐり、高額な返礼品を理由に新制度から除外された大阪府泉佐野市が国と争っていた訴訟で、市側が国に逆転勝訴です。泉佐野市のふるさと納税復帰への道が見えてきました。

 ふるさと納税をめぐる国と泉佐野市の異例の裁判。その発端は、泉佐野市の返礼品でした。財政赤字に苦しんでいた泉佐野市は制度を最大限活用し、「滋賀県の近江牛」や「和歌山県の紀の川柿」など地場産品でないものも返礼品として打ち出してPR。これらの独自の取り組みによって2017年度の寄付額は全国トップに。さらに、2018年度は約497億円を集めました。

 しかし、そこに“待った”をかけたのが総務省でした。

 「泉佐野市の行為ですね、一日も早く是正をしていただきたいなと思っております。」(石田真敏総務大臣※当時 2019年)

 総務省は、過去に高額な返礼品を出していたことを理由に、泉佐野市を新制度から外すことをちらつかせたのです。これには泉佐野市は怒り心頭で…

 「総務省のやり方はあまりにも一方的で姑息である。後出しじゃんけんのようなルールの制定は法治国家がとるべき手法とは思われません。」(泉佐野市 八島弘之副市長 2019年4月)

 泉佐野市の訴えむなしく、その後、泉佐野市はふるさと納税の新制度から外されます。そしてついに、泉佐野市は総務省との“全面対決”を決め、提訴となりました。争点は、総務省が過去の返礼品の実績などを理由に泉佐野市を新しいふるさと納税制度から除外したことが違法かどうかです。

 今年1月、大阪高裁は「総務大臣には広い裁量があり逸脱濫用はない」として、市の訴えを退けました。納得できない千代松市長は最高裁に上告。

 そして、6月30日の判決で、最高裁は「ふるさと納税の除外は地方団体の地位に重大な不利益を生じさせるもので、総務大臣の裁量に委ねるのが適当とは言い難い」と指摘し、「過去の実績を審査の基準とすることは違法」として、市の訴えを認め、国の除外決定を取り消しました。

 逆転勝訴の一報に、千代松市長は…

 「主張を全面的に認めていただいたということで、今回の判決を出していただいた裁判官の方々に感謝しています。後出しじゃんけんで、後付けの法律によって遡って地方自治体に対して不利益を与えることはやってはいけないという、強引さを否定していただいたのではないかなと考えています。」(泉佐野市 千代松大耕市長)

 泉佐野市民は…

 「(税金で)プールがいろんな小中学校にできたのはいいかなと思いますけどね。子どものために(寄付金を)使ってもらえたらいいなと思いますけどね。」(泉佐野市民)
 「勝つのは意外でした。地元の名産の物で(返礼品に)ちゃんとしてほしいなと思います。(泉佐野市の名産品は)タオル・泉州たまねぎ・水なすびとか…」(泉佐野市民)

 一方、ふるさと納税の返礼品が売り上げの3割を占めていた地元の業者「NSW」は、新たな返礼品として地元の地場産品である泉州タオルの技術を生かした新商品の肌着をすでに開発し、制度への復帰を待ち望んできました。

 「肌着は泉佐野市の新しい名産品として頑張って開発してきたんで、しっかり準備して皆さんに知ってもらえたらいいなと思います。」(NSW 西出喜代彦社長)

 判決を受け、総務省の高市早苗大臣は「判決の趣旨に従い、できるだけ早く必要な対応を行ってまいります」とコメントしています。