【モデルプレス=2020/01/16】「フジテレビ×モデルプレス」女性アナウンサー連載『女子アナの“素”っぴん』―――― Vol.53〜54は2003年入社の石本沙織(いしもとさおり・39)アナウンサー。

「才色兼備」と呼ばれる彼女たちも1人の女性。テレビ画面から離れたところでは、失敗して泣いていたり、悔しくて眠れなかったり、自分の居場所に悩んでいたり…。それでも気持ちを落ち着かせて、どうしたら視聴者に楽しんでもらえるのか、不快感を与えないのか、きちんと物事を伝えられるのか、そんなことを考えながら必死に努力をしている。本連載ではテレビには映らない女性アナの“素”(=等身大の姿)を2本のインタビューで見せていく。

前編はこれまでのアナウンサー人生を振り返りながらターニングポイントに迫るもの、後編は彼女たちが大切にする「5つの法則」をメイク・ファッション・体調管理といったキーワードから問う。

――――藤本万梨乃アナの後を引き継ぎ、27人目に登場するのは石本アナ。※後編(Vol.54)は2月1日に配信予定。

◆スポーツを中心に幅広く担当

石本アナは2003年に入社。「めざましテレビ」や「スーパーニュース」などを担当し、現在は「Live News it!」のほか「S-PARK」のニュースコーナーを担当している。

◆石本沙織アナ、“挫折知らず”だったアナウンサー人生に転機

― 入社からこれまでを振り返って、一番大きな挫折や苦しかった時期を教えて下さい。

石本:すごく大変だったのは、5年目に担当した国際千葉駅伝です。「めざましテレビ」や「スーパーニュース」でスポーツを担当していたのですが、女性アナとして初めて中継所から実況を担当することになりました。もちろん全ての実況ではなく、たすきリレーの瞬間の実況だったのですが、これがすごく大変で、初年度は何もできませんでした。出場している外国選手の顔と名前を一致させることも大変でしたが、当日大雨が降ってしまい、準備した資料がぐちゃぐちゃに。私も水性ペンで書いていたのがいけなかったのですが、もうパニックです。

中継現場では、カメラが捉えているモニターの画と、実際に目の前で繰り広げられている選手の走りを見ながら実況するのですが、「ケニアが来ました。次は◯◯です」ぐらいしか言えなくて、すごく反省しました。本来は失敗したらOAを見返して反省すべきですが、しばらくは落ち込みすぎて見られなかったほどです。2回目に臨む前に「あの自分と向き合わなくちゃいけない」と思い、OAを見返してから臨んだのですが、やはり上手くできず…。3回目でようやく最低限の実況ができました。

新人の時から、わりと大きなミスをすることもなく、何事もそつなくこなしていたタイプだったので、この時本当に初めて「努力しなければ仕事はできないんだ」ということを痛感しました。

― 元々アナウンサーになった時は、どういったお仕事がしたかったのですか?

石本:スポーツです。自分がバレーボールとチアリーディングをやっていたこともあって、スポーツをやりたかったのですが、でも見るよりもやる方が好きだったので、意外と知識がなく。それ以外の競技に関しては知らないことがたくさんありました。各スポーツの専門用語は1から勉強しましたが、すごく楽しかったです。やはり現場に行って見ることがスポーツの醍醐味ですよね。

◆“ものまね”挑戦で存在感を発揮

― 石本アナはスポーツ以外にも幅広いジャンルを担当されている印象です。一番印象に残っているお仕事は?

石本:本当にいろいろやりましたね。でも、多分、他の人がやっていないことで私が長い期間やったことは“ものまね”だと思います(笑)。

― 私もそのイメージがすごくあります。ずっと「ものまね紅白歌合戦」を拝見していたので。

石本:嬉しいです。あれはたった1回のつもりで出たんですよ。

― そうなんですね!

石本:MCを担当していた高島彩アナと中野美奈子アナが、「アナウンス室に石本という歌の上手い子がいる」とプロデューサーに伝えたことから、「1回出てみる?」という感じで(笑)。1回だけのつもりだったのですが、面白かったらしくて「じゃあまた次も」「また次も」と言っている間に、5〜6年出ていました。年4回放送していたので、トータルで20回くらいでしょうか。最後の方は「もうネタがない!」と思いながらでした(笑)。アナウンサーっぽくない仕事の1つだったのですが、すごく楽しかったですね。

― 毎回、ネタ決めや練習はどうされていたのですか?

石本:最初は本当に自分がカラオケでやっていたものまねをやっていました。椎名林檎さんや矢井田瞳さんですね。「もう本当にネタがなくなってきた」と思ってプロデューサーに相談したら、「こんなのもできるんじゃないの?」とか「石本の声だったら、これもいけるかもよ」と、いきものがかりさんや大塚愛さんのような自分の中になかったレパートリーを提案してくださって。これがやってみると、意外と似ていたりするんですよ(笑)。いつもネタを決めてから1ヶ月ほど猛練習していました。

― 本気度がすごいです。

石本:やるからには本気ですよ(笑)。番組も真剣だったので、「もうちょっと似せるためにはどうしたらいいか」って、ボイストレーニングの先生にご指導いただいたり。元々歌も好きですし、声の出し方ひとつでこんなに変わるんだということを研究するのもすごく好きだったので、本当に楽しい時間でした。そのうち、高橋真麻アナをアナウンス室から引っ張り出して、他のアナウンサーも含めいろいろなメンバーでKARAやSPEEDをやったりしたのもいい思い出です(笑)。

― 石本アナは、フジテレビ女子アナの中でもそういった歌やものまね分野の開拓者ですよね。

石本:そうでしょうか。よく真麻は「今の私があるのは、石本先輩のおかげ」だと言ってくれますが(笑)。

― それまでそういう方はあまりいなかった印象なので、女子アナ界に新しい流れを作ったというか。

石本:初めて椎名林檎さんのものまねを披露した時のリハーサルで、やはりちょっと恥ずかしくて、照れながら歌ったんです。そうしたら監督に「そんな感じだと見ている方が恥ずかしいし、おふざけでやっているように思われるよ」と言われてハッとしました。「照れることはやめよう。恥ずかしいなんて1ミリも思うことはやめよう」と覚悟を決めて歌ったら、それが面白かったみたいで。「やるなら100%」ということはそこで学んだなと思います。

― どんな仕事にも通じる大事なことですよね。

石本:そうです。何事もやるなら徹底的に!実はものまねに出るまでは、あまり自分に自信がなくて「早く自分の出番、終わらないかな」と思っているタイプだったんです。でも、それではいけないんですよね。「マイクの外では、日本一下手なアナウンサーだと思え。マイクの前に立ったら、日本一のアナウンサーだと思え」とよくアナウンス研修で言われる言葉があるのですが、本当にその通り。カメラの前に立ったら「自分が1番だ!」と思えるくらいの自信を常に持っていないといけないなと。

― とはいえ、自信を持つのはなかなか難しいです。

石本:難しいですよね。だから、ハッタリでもいいと思います。もちろん、そのための準備は大事です。準備をしたからこその自信もありますから。ただ、本番を迎えたら「もう仕方がない!ちょっと準備は足りなかったけど、もうなるようになれ」くらいの開き直りも大事。

これは1人でスポットライトを浴びるものまねを経験してわかったことです。1人でのニュース読みも怖いのですが、1人で舞台に立って歌うって、独特の怖さがあるんです。…なんだか歌手みたいなことを言っていますね(笑)。でも、毎回本当に歌手の方のすごさを感じていました。

◆石本アナの気持ちを切り替える方法

― 石本アナは失敗したり、壁にぶつかった時、どうやって気持ちを切り替えていますか?

石本:どうしているでしょうか…。

― 受け入れる?

石本:受け入れて、その失敗が乗り越えられるものだったら、多分努力次第で乗り越えられると思うのですが、努力してもどうにもならないようなことの場合もありますよね。

例えば私だったら年次の近い先輩に高島彩アナや中野美奈子アナがいました。憧れの先輩でお二人を見ていると「良いなぁ」と思うのですが、「でも、私は違うキャラクターだな」ということを客観的に受け入れる。「じゃあ、自分には何ができるのだろう。自分にしかない何かをきちんと見つけよう」と早い段階で考えていました。

― それはいつ頃ですか?

石本:「めざましテレビ」をやっていた頃なので、5年目です。その当時、MCの大塚範一さんが「石本は石本でいいんだよ」と言ってくださって。スポーツコーナーを担当していたので、「誰よりも私が1番元気でいよう」と思っていて、朝からハキハキと「おはようございます!」と挨拶していたんですね。そうしたら大塚さんが「石本はいつも元気だね!石本はその元気が1番だから」と。その言葉で、「周りがぱっと明るくなるような元気さが、私の良いところなんだ。私はこっちでいこう」という気持ちになるきっかけを与えてもらいました。

― この連載で皆さんのお話を伺ってきて、自分の武器というか長所を見つけるまでに時間がかかったという方もいれば、まだ見つけられずにもがいているという方もいらっしゃいました。

石本:私の場合、ものまねをその時期にやっていたので、その影響もあるかもしれません。スポーツと歌でバランスが取れていたのかな。「ああ、これで行こう」って。

もがいている子の気持ちもすごくわかります。だから「最近どう?」「楽しい?」とか声をかけるようにしています。

― そういう時は何かアドバイスされるんですか?

石本:こちらからあんまり聞くのも良くないかなと思うのですが、正直に話に来てくれる子には「今、与えられていることを精一杯やるしかない」と伝えています。あとはとにかく明るく、楽しそうに仕事をしていれば、それに吸いついてくるというか、一緒に仕事をしたいという人がきっと来る。しょんぼりしている人に人は寄って来ないですから。本当はつらくても、とにかく楽しそうに(笑)。仕事もやっぱり縁なので。

◆育休から復帰 子どもたちの存在が糧に

― 育休を経て2019年2月から仕事復帰されましたが、いかがですか?

石本:今までスポーツだったり歌だったり、報道・情報番組もひと通りやってきたのですが、復職したら視聴者の皆さんにもう少し近いところで仕事ができたらと考えていました。なので、今担当している「Live News it!」の「アレコレト!」というコーナーはまさにドンピシャで、すごくやりがいを感じています。家族を持つ前は、例えば100均グッズの売れ筋ランキングや、夫婦仲や育児の大変さとかも何もわからなかったので、「自分には今まで知らなかった世界があるんだ!」と日々学んでいます。

― お仕事を辞めようとは思わなかったですか?

石本:復職する時、「このまま私、仕事できるのかな?」という不安はありました。本当に家事が苦手で、このまま子どものために復職せず、生活を安定させるのも良いのかなと迷ったり、心の葛藤はありましたね。

― それでもやっぱり戻ろうと思った理由は?

石本:「戻ろう」というか、「戻ってみよう!」という感じです。大変でもまずチャレンジしてみて、難しかったらその時悩めばいいと、前に進む決意をしました。

― 実際、お仕事しながらの子育てや家事はすごく大変だと思うんですけど、どうやって両立されているんですか?

石本:多分、両立できてないです(笑)。私、1人暮らしの時でさえ、家事が全然できなくて、家に帰ったら本当にお風呂に入って寝るだけだったんですよ。食事も外食で済ませたりして、埃がたまったら掃除をするくらい。生きていければそれでいいくらいの感覚だったので。結婚しても、家事は気づいた方がやるのですが、子どもができるとやらざるを得なくなって。食事も外食ばかりじゃダメだし、部屋だってあっという間に散らかるし、洗濯物も3倍、4倍。むしろ帰宅してからが仕事本番という感じです(笑)。

― お子さんたちは、ママが仕事に復帰して頑張っていることはなんとなく理解しているんですか?

石本:上の子はわかり始めています。こういう仕事をしていることはあえて言っていなかったのですが、ある日録画したニュースを見せてあげたら、「ええー。これ、ママなんだぁ」と嬉しそうにしていたので、「ママはこういう仕事をしているんだよ」と伝えました。そうしたら、七夕の願い事に「ママみたいなアナウンサーになりたい」と書いていて。

すごく引っ込み思案な子なのですが、堂々と書いているのを見て成長しているんだなと。それを機に先生からも「皆の前でお話する時もちょっとずつ前に出られるようになりました」と聞いて、私の仕事も少しはプラスに働いているのかなと。

― きちんと説明してよかったですね。

石本:よかったです!嬉しくて、泣けてきちゃいました。

― 今後はどんなふうになっていきたいですか?

石本:この間、『アレコレト!』のスタッフが、タクシーでフジテレビに向かっている時、3回続けて運転手さんに「そういえば、フジテレビの石本アナ、復帰されましたね」と言われたそうなんです。家族も含めて私が復職したことを喜んでいる方がいるということが、今はすごく嬉しいです。今後も、気負うことなく、いいバランスでオンとオフを繋いでいきたいと思っています。いろんな人や縁に感謝しながら、自然体で自分らしくマイペースに。

◆石本アナから女子アナを目指す学生へ

― では、石本アナからアナウンサーを目指す読者にアドバイスを送るとしたら?

石本:とてもキラキラした世界に見えると思いますが、そういった仕事は滅多になく、実際は、実況の資料を作るとか毎日ロケに行くとか、地味な仕事がほとんどです。そこを理解した上で、ぜひ目指してほしいと思います。

あと、復職して痛感しているのが“言葉”です。なにげなく日常生活を送っていると、言葉が本当に出て来なくなります。

常に“言葉”を意識して、日常を過ごしてほしいです。例えば同じ「美味しい」にしても、ただ「美味しい」とか、下手したら「ヤバい」で済ませていることもあると思います。それがどう「美味しい」のかをもう1歩踏み込んで考えて、言葉に厚みを出してほしい。テレビを見たり、新聞・雑誌、ネットでもいいのですが、「どういう表現で、どんな言葉を、どう使っているのか」をちょっと意識してみてください。

― 最後に、石本アナが考える“夢を叶える秘訣”をお願いします。

石本:“夢”というと、すごく大きい感じがしますよね。私は小さい時、歌手になりたいと思っていましたが、急にそこに行こうと思わずに、1個1個、こなしていく。

私の場合、まず東京に行かなきゃと思いました。歌手は難しそうだけど、もう一つ大好きなテレビの仕事もやってみたい!地元の富山にいたら、テレビの世界にはなかなか行けない気がして。とりあえず東京の大学に行こうと決めたら、そのためにまずできることは勉強。東京の大学に入学できたら、じゃあ次は何をするか。テレビ局のバイトやアナウンススクール、とりあえずテレビに近づくための足がかりをいっぱい作りました。

いきなりじゃなく、1歩ずつ。今できることは何か、冷静になって考えることが大事だと思います。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

◆石本沙織アナのとあるスケジュール

10:00 衣装合わせ。2週間分の衣装を一気に決めます!スタイリストさんは長年お願いしている方で、サイズや似合う形・色を把握してくれていて、心強い!!

12:00 この日は「Live News it!」の「アレコレト!」金曜日のパートナー、副島淳さんと「ふるさと祭り」取材のため、東京ドームへ!現場の取材はスタジオ受けコメントにも繋がるので、いろんな情報を仕入れておきます。

16:30 打ち合わせ。この日のラインナップやスタジオ展開を確認。自分が取材に行った項目に関してはスタジオで何を話そうか考えて、20〜30秒ほどにまとめて頭に入れておきます。

17:25頃〜「アレコレト!」コーナー本番。芸能・トレンドコーナーということで、メインキャスターの加藤アナウンサーも含めてみんなでワイワイ楽しんでお伝えしています!それにしても副島さん、大きい…(身長195cm!)

水・木のパートナーは荘口彰久さん。とても頼りになるお兄さん!

18:30 「アレコレト!」反省会後、退社。子ども達のお迎えにダッシュ!!

たまにはこんな日も。「アレコレト!」決起集会。出演者・スタッフみんなで、番組を盛り上げていきます!(月・火は新美有加アナウンサーが担当!)

◆石本沙織(いしもと・さおり)プロフィール

生年月日:1980年7月7日/出身地:富山県/出身大学:早稲田大学/血液型:O型/入社年:2003年

<担当番組>

Live News it!(水〜金)
S-PARK ニュースコーナー
BSニュース

◆「フジテレビ女性アナウンサーカレンダー2020-NEW STYLE-」

今年のテーマは、新しい風「-NEW STYLE-」。2年ぶりにカレンダーにカムバックした入社10年目の山崎夕貴アナウンサー(「崎」は正式には「たつさき」)を筆頭に、三田友梨佳アナら総勢19人のアナウンサーが登場する。

撮影はオールお台場ロケ。カレンダープロデュースチームには、今回で3年連続担当となる新美有加アナウンサーを中心に8人のアナウンサーが参加。コンセプトや撮影場所、そしてスタイリングやメイクに至るまで、普段テレビには映らない女性アナウンサーの魅力、さらにはお台場の魅力を最大限表現すべく、愛情たっぷり意欲的に制作に携わった。

販売価格:2300円(税別)
発売日:9月末店頭販売開始
WEBショップ等では、9月上旬より順次予約受付スタート。
販売場所:フジテレビショップ、フジテレビ公式通販サイト「フジテレビe!ショップ」、全国書店他

◆「フジテレビアナウンサー卓上カレンダー2020 一緒に学ぼう!間違いやすい日本語」

販売価格:2000円(税別)
サイズ:A5
仕様:全28枚(表紙含む)卓上カレンダー
フジテレビ全アナウンサーが登場する間違いやすい日本語を写真とイラストで楽しく学べるカレンダー。

◆「榎並大二郎アナプロデュース フジテレビ男性アナウンサー 万年日めくりカレンダー」

販売価格:1500円(税別)
サイズ:B6
仕様:32枚つづり万年日めくり卓上カレンダー

毎日の運動を16名のフジテレビ男性アナウンサーの写真とイラストでわかりやすく紹介。置き換えダイエットも合わせて1か月続けて1㎏の減量(約7000キロカロリーの消費)を目指すことができるカレンダー。

※体重60kgの方を想定した消費エネルギー量です。
※体重1kgを減らすためには約7000Kcalの消費が必要です。
※消費エネルギー量は個人差がありますので、あくまで目安としてご覧ください。身体活動状況、環境条件により消費エネルギーは変動します。
※置き換えダイエットのカロリーは、一般的な食品・メニューのカロリーを元に算出しております。種類によって実際のカロリーは異なりますので参考数値としてご覧ください。


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