5月11日に日本各地で話題となったオーロラが岩手県内でも観測され、岩手めんこいテレビのカメラマンもその光景を捉えました。
今後も観測される可能性があるということで、専門家に話を聞きました。

岩手山と一本桜を望む小岩井農場の草原の上に広がる空は淡い赤色に染まっています。
岩手めんこいテレビのカメラマンが11日の午後11時ごろ撮影しました。

そして12日午前0時ごろ、八幡平市で岩手めんこいテレビのスタッフが撮影した写真。
スタッフによると、肉眼では見えなかったものの長時間露光して撮影したところ赤い光が浮かび上がったということです。

この現象について、国立天文台水沢VLBI観測所の酒井大裕特任助教に話を聞きました。

Q:今回の現象は各所で言われているようにオーロラとみて良いのでしょうか?
国立天文台水沢VLBI観測所 酒井大裕特任助教
「オーロラだと思っていいと思う。北緯60度以上でしか基本的には見られないが、太陽の活動が活発になると緯度が低い所でも見られる」

オーロラは、太陽の表面で起きる爆発「太陽フレア」によって地球に降り注いだプラズマという粒子が大気とぶつかると発生します。

今回は最大級の「太陽フレア」が12日までの5日間に9回発生したことで、普段見られない地域でもオーロラが観測されました。

国立天文台水沢VLBI観測所 酒井大裕特任助教
「北海道では何年かに一度観測されることがあるが、本州で観測されるのはかなり珍しい。私が知る限り記録が取れていないのが30〜40年間、可能性としては100年に1回というくらい」

とても珍しい現象ですが、また見られる可能性があるといいます。

国立天文台水沢VLBI観測所 酒井大裕特任助教
「太陽の活動が活発になるのがおそらく今年から来年にかけてなので、確かなことは言えないが、見える可能性は十分あると思う」

今回は「太陽フレア」に伴い地球上で大きく磁場が乱れる「磁気嵐」が起きていて、16日ぐらいまでは通信機器などへの障害に注意が必要とされています。
太陽の活動は2025年にかけて活発なので、今後も様々な影響に注意が必要だということです。