2012年のロンドン五輪で銅メダルを獲得したバレーボール女子日本代表の新鍋理沙(29)=久光製薬、霧島市出身=が29日、オンラインで引退記者会見を開いた。理由について「けがの影響で1年後に自分が納得できる姿が想像できず、潔く第一線を退く決断をした」と説明。「たくさんの人に支えていただいた。みんなと一緒に戦った11年間は一生の財産」と最後は涙ぐんだ。

 引退の要因となったのは3、4年前から繰り返し痛みがあった右手人さし指のけがだった。今年になって悪化し、代表合宿では「パスをするのも痛かった」と振り返る。

 東京五輪の1年延期決定後の4月に手術。来夏へ向けてリハビリに励んだが、「だんだんと前のようにプレーできるか不安が増した。5月に入って引退を決めた」。もともと20年の東京五輪後に引退する予定だったことも明かし、「(延期の)1年はとても長く感じた」と話した。

 引退後は、チームの運営会社とマネジメント契約を結び、バレーボールの普及や発展に貢献する活動を模索していくという。

 新鍋はVリーグで最優秀新人賞や最高殊勲選手賞を獲得するなど活躍。20日に久光製薬が引退を発表していた。

「ロンドン五輪銅メダル、大きな経験」
 記者会見での一問一答は次の通り。

 ―引退を決めた理由は。
 「右手人さし指の(慢性的な)けががあり4月に手術した。復帰を目指してリハビリをする中で、納得できるプレーができるかを想像することが難しくなった。ここで辞めるのも無責任という思いもあったが、中途半端では目指せない」

 ―東京五輪1年延期の影響は。
 「絶望という心境で、1年はとても長く感じた」

 ―日本代表の中田久美監督と話は。
 「引退を決断してから報告させていただいた。具体的な内容は秘密。お疲れさまと言っていただいた」

 ―バレー人生で一番印象に残ることは。
 「一番はなかなか決められないが、(銅メダルを獲得した)ロンドン五輪は大きな経験になった」

 ―今後の予定は。
 「自分にとってバレーボールが全てだった。たくさんの経験を通して学んだことや競技の素晴らしさを伝えていきたい」

 ―鹿児島のファンにメッセージを。
 「鹿児島は両親をきっかけにバレーボールを始めた場所。たくさんの人から手紙をもらうなど応援してもらった。今後、鹿児島で一緒にバレーをする機会があるとうれしい」