本庄市役所で2月12日、金箔工房「武蔵屋」(本庄市児玉)社長の三嶋孝之さんと長女の智惠さんが同市に金箔(きんぱく)加工したマスコット「はにぽん」を寄贈した。(本庄経済新聞)

 【写真】吉田信解市長に「金箔押し」について説明する三嶋さん

 同社は日本画の額装への金箔押し・修復、金箔を施した釣り具の製造・開発、漆器等への金箔押しなどを手掛けている。

 先月行われた埼玉信用組合主催の「第4回本庄地域クラウド交流会」で紹介した金箔「はにぽん」を同市に寄贈したいと考えた三嶋さんらは、同市経済環境部商工観光課を通じて寄贈を打診した。

 三嶋さんは17年前、長野から同市へ転居したのを機に、元々彫刻や塗りもの、箔押しなどをしていたこともあり、金箔を始めた。「加賀友禅や京都西陣など細かいところに金箔を押す技術はあるが、布に金箔を押すことを大きくやるというのは現代では能装束の一部くらいで、この技術を伝承しているところはほとんどない」と話す。

 昨年、地元の帽子工房の人と知り合い、長女から「布に箔押しは出来ないの?」と尋ねられ、「金箔加工した『はにぽん』を作ろう」と決意したという。三嶋さんは「一代で終わりにしてもいいかと思ったが、娘、息子が何としてもやりたいと言う」と話す。

 吉田信解市長が「この技術はどのようにして身に付けたのか」と尋ねると、三嶋さんは「独学。たまたまNHKを見ていた時に金箔押しの特集をやっていて、自分でもできるのではないかと思い試行錯誤を重ねた」と振り返った。「元々事務方の仕事をしていたが、そこでいろいろな業種の方と出会い、物作りが面白いと感じた」とも。

 吉田市長は「元々目指していたものでなく、途中で出会った世界にどんどん入っていって今は生業としているのは素晴らしい」と称賛。三嶋さんは「日本の伝統を外国の人へ、そして子どもたちに金箔押しを伝えていきたい」と抱負を述べた。