沼津・戸田にあるゲストハウス「タゴール・ハーバーホステル」(沼津市戸田)が6月29日、オープン1周年を迎えた。(沼津経済新聞)

 戸田港に面した築60年ほどの民宿を改修して2019年6月にオープンした同施設。2階・3階は5部屋の個室とドミトリーの1部屋を備え、晴れた日は駿河湾越しに富士山が見える風景が名物となっている。

 1階部分は、宿泊客や地元民が交流できるオープン型ラウンジ。ラウンジでは、静岡県産クラフトビールを販売するほか、戸田で採取できるタチバナを使った「橘のフレンチトースト」など地場産メニューを提供するカフェとして営業する。

 店主の鈴木智博さんは東京都墨田区出身。鈴木さんは大学を卒業後、一級建築士として施設管理会社に就職。仕事では大規模な会場の設計や、オフィスの設計を手掛けたという。「大きな仕事にやりがいはあったものの、設計した建物がどのように使われ、生活しているのかが見えなかった」と当時を振り返る。

 鈴木さんに転機が訪れたのは2017(平成29)年の「沼津リノベーションスクール」参加。友人の紹介で参加した鈴木さんは、そこで多くの仲間に出会い、沼津の人の良さに触れたという。

 「沼津に親戚がいるわけでもなく、それまでは何も知らなかった」と話す鈴木さん。

 鈴木さんは自身で沼津の良さをアピールするために、2018(平成30)年に同施設を取得し、ゲストハウスの設計に着手。多くの仲間の助けや、クラウドファンディングで資金協力などを得ながら、2019年にオープンした。

 鈴木さんは「オープン以降、台風19号の直撃や新型コロナウイルスの影響など、全て順風とは言えない営業だが、自分が設計・企画したことが、どのように目の前で楽しんでもらえるか、まさに戸田の場所自体まちづくりの実践の場になっている。戸田の仲間と学んだことが、設計の仕事に反映することもある。山と海が楽しめる戸田で、多くの仲間たちと暮らしの豊かさを実践していきたい」と話す。

 インバウンド客は減少したものの、地元住民たちがカフェ利用したり、一杯飲みに来たりする憩いの場所になっている同施設。「今後は戸田の住民と旅行者が集まる交流の拠点になってくれれば」と話す。