川崎市立川崎小学校(川崎区日進町)の卒業証書授与式が3月20日に行われ、幸区出身の映像クリエーターの山中将希さん(23歳)と上村透生(とうい)さん(23歳)が卒業式の模様を参列できない人のために届けたいと撮影を協力した。(川崎経済新聞)

 【写真】山中さん(左)と上村さん(中)2人が中臣校長(右)に相談し撮影が実現した

 令和元年度卒業式は新型コロナウイルスの影響を受け、休校が続き卒業式までの期間中、準備が十分に行えない状況だった。制限された内容に当時は戸惑いもあった。

 中臣信丈(しのぶ)校長は「教員、関係者らがアイデアを出し安全を考慮した進行内容を考えてくれた。しかし、式に在校生は参加できず、保護者の参列者は1人までとし、卒業生の晴れ姿を見たくても見ることができない人が出てしまう状況だった」と話す。当日は時間を短縮し、体育館内の空調管理、座席の位置の間隔を空けるなど、会場内はウイルスの集団感染を防止する配慮がされていた。

 卒業式の2日前、日進町の複合施設unico(ウニコ)内のシェアオフィス創荘(川崎区日進町3)の会員メンバーの山中さんと上村さん2人が「今のネガティブな空気感の中、何か自分たちのスキルを生かして地元川崎を元気づけられることはできないか」「卒業式の様子を自分たちが撮影し、晴れ着姿を見れなかった人の為に映像や写真で届けてあげたい」と中臣校長に相談し、当日の撮影が実現した。

 中臣校長は「今までにない形の式ではあったが、こうやって地元の若者が立ち上がって、卒業生だけでなく参列できなかった家族の為に撮影を協力してくれたことに感謝している。完成した映像が楽しみ」と話す。

 山中さんは「僕たちが制作した映像で、少しでも多くの人が感動して喜んでもらえれば本望。下向きな話題が多いからと言って落ち込んでいるのではなく、子供たちに何ができるか考えて行動を起こした。1人1人が恩送りのバトンを、今こそ繋げていくべき」と意気込んでいた。

 晴れ着姿で式に参加した卒業生113人は、付き添いの家族と一緒に、芽吹き始めた桜のつぼみの下、正門を抜け最後の下校となった。

 収録した映像や写真を編集し出来上がった制作物を学校側へ提供する予定。