「砥部焼陶芸塾修了展」が3月14日から開催され、第12期修了生の矢野修一さん、山崎正子さんの作品を展示している。(松山経済新聞)

 「砥部焼陶芸塾」は、2002(平成14)年に愛媛県が砥部焼の後継者育成のために始めた「えひめ陶芸塾」を、第2期から砥部町が引き継いで実施しているもの。国の伝統的工芸品で、県の無形文化財に指定されている砥部焼の技と文化を承継し、新しい砥部焼の造形・デザインを創造する人材の育成を目指している。

 伝統産業会館で、長年にわたって修了展の展示を見続けているスタッフの菰田美幸さんは「今期の陶芸塾では、砥部焼の特徴的な模様である『唐草』や『菊絵』の考案者としても知られる無形文化財の工藤省治さんと、伝統工芸士の芥川正明さんという砥部焼を代表する2人の作家が講師を務め、昨年10月に工藤さんが急逝された後は、伝統工芸士の亀田茂木さんが後を引き継いだ。受講生の2人は、2年間じっくりかけてろくろや絵付けの技術を学び、先生方の技術をしっかりと受け継いだ見応えのある作品数多く仕上げている」と成果について話す。

 会場入り口付近に展示された100個のマグカップは、山崎さんのメイン作品。山崎さんは「ろくろの技術を学びながら、高い精度で同じ形のものを作ることを目指して100個を制作したが、上から見ると、円がわずかにゆがんでいるものもあり、なかなか同じようにはならないものだと改めて難しさを感じる。この先も研究を続けて、よりよい作品を作れるよう頑張っていきたい」と2年の過程を振り返る。

 矢野修一さんのメイン作品は、仏様を描いた花瓶と器。「陶芸塾では、1品だけよいものができるような偶然性に頼ることなく、仕事として、同じものを安定的に作れる、職人として注文に応えることのできる技術を徹底的に教えてもらった」と矢野さん。

 これまでは独学で、石こう型での鋳込み形成をメインに作品制作を行っていたといい、「ろくろと絵付けの技術を2年かけてしっかり学んだことで、作品制作の幅が広がったと感じる。陶芸塾では、長い経験を持つ先生方にプロとしての仕事を教わり、とても感謝している。亡くなった工藤さんに修了展を見てもらえなかったことは、本当に残念」と、2年間の受講の手応えと、講師への感謝を語った。

 「砥部焼陶芸塾」では、プロの陶芸家を目指す人と、プロの陶芸家で知識・技術力の向上を目指す人を対象に、第13期の受講生を募集している。受講無料、4月9日に陶芸創作館(砥部町五本松、TEL 089-962-6145)で事前説明会を開催する。

 開館時間は9時〜17時。月曜定休。入場料は、大人=300円、高校生・大学生=200円、小中学生=100円。3月29日まで。