水戸葵陵高校3年の鹿志村仁之介さんが1月20日、総合格闘技「パンクラス」でプロ昇格する。(水戸経済新聞)

 ブラジリアン柔術の試合の様子

 鹿志村さんは、水戸市出身・在住の高校3年生。2001(平成13)年8月12日生まれ、172センチ。鹿志村さんの父は「幼少の頃は小さくぽちゃっとしていて、体が弱かった。スポーツが得意になるとは思っていなかった」と振り返る。

 10歳で小学校の友人の誘いで柔道を始めると、12歳で柔道に加え柔術を開始。柔道の強さを極める中で寝技を強みとする「ブラジリアン柔術」に出合い、中3まで毎日道場に通うほど柔道・柔術の世界にのめり込んだ。高校入学後、現在所属する「ストライプル茨城」(かすみがうら市)に移籍。海外遠征も積極的に行い、「少しずつ強くなっていくので、私生活でも自信が付いていった」と話す。

 高校では柔道部に在籍し、73キロ級で県大会優勝の実力。2019年の戦績に「JBJJF全日本柔術選手権・紫帯ライト級」準優勝、「JJFJ全日本ブラジリアン柔術選手権・紫帯ライト級」優勝、「IBJJFアジア柔術選手権・紫帯ライト級」3位、「JBJJF全日本ノーギ柔術選手権・エキスパート ライト級」準優勝などがある。

 高校卒業後は、柔道整復師の資格取得に向け「了徳寺学園医療専門学校」(東京都墨田区)への進学を決めていたが、奨学金制度について調べていたところ、募集条件に「元または現役プロスポーツ選手」という項目を発見。鹿志村さんは「道着を脱いだ格闘技は初めてだったが挑戦してみよう」と、昨年10月27日に行われた「アマチュアパンクラス プロ昇格トーナメントマーシャルワールド杯 ライト級」に挑み、初出場で初優勝。プロ昇格を知った友人たちから、驚きや「頑張って」といった応援の声も多いという。

 パンクラスは、キックボクシング、レスリング、柔道、柔術などを合わせた総合格闘技。パンチ、キックのほか、日本の団体では少ない肘打ちなどの攻撃が許可されている。試合は「ケージ」と呼ばれる10角形の金網で囲まれたリングで行われる場合が多い。

 鹿志村さんは「目標は、総合格闘家・プロレスラー・柔術家として活躍する青木真也選手。寝技が得意ということもあるが、ほかにとらわれない自分の軸があるのが魅力。以前1カ月間のトレーニングでお世話になったが、間近で指導を受けることで、より青木選手のようになりたいという思いが強くなった」と話す。

 トレーニングは、1日3時間ほど。柔術と組み技のグラップリングを中心に「ストライプル茨城」での練習に励んでいるという。「自分だけではここまでできなかった。高校の鈴木監督には、立ち技の指導や柔道以外の視野の広さを持つ大切さを教えてもらった。父は週に4日、道場までの片道1時間半の道のりを送迎し、母は食事のサポートをしてくれている」と感謝を口にする。「弟も柔術をやっていて、打撃が強いというのが刺激になる。『弟ができるなら自分も』と高め合うことができている」とも。

 「他の人にはない、自分で積み重ねてきたことが自分の武器。今後も自分のスタイルを崩さず、好きなことを貫いていく」と強い意志を示す。「いつか、テレビで放送されるような格闘技の番組にも出たい」とも。
 
 鹿志村さんのデビュー戦「PANCRASE 312」は、2月16日に「新木場スタジオコースト」(東京都江東区)で行われる。