岩手県を題材にした漫画作品集シリーズ第9弾「コミックいわてQ(キュー)」が、3月20日に発売された。(盛岡経済新聞)

 岩手県では、岩手県公式ウェブ漫画サイト「コミックいわてWEB」を運営。岩手にゆかりがある漫画家たちによる作品を掲載してきた。「コミックいわて」は、同サイト内で配信する作品をまとめたもので、昨年3月には第8弾を発売。「三陸鉄道リアス線」の全線開業を記念し、同線の制服を着た「鉄道むすめ」のキャラクター「久慈ありす」と「釜石まな」が表紙を飾り、多くのファンから好評を得た。

 三陸鉄道は昨年、台風被害により一部区間が再び運休。「コミックいわてQ」の発売日と同じ20日に全線再開した。これを記念し、今回の表紙にも久慈ありすと釜石まなが登場。収録作品の中には、宮沢賢治や銀河鉄道をテーマにしたものが多いことから、2人とほかのキャラクターたちが銀河鉄道で旅をするイメージで描かれている。

 収録作品は全13作品。時代ファンタジー漫画「SAMURAI DEEPER KYO」の作者・上条明峰さんや、岩手の民俗芸能を描く「鬼踊れ!!」の作者・篠原ウミハルさんなど3人の漫画家が初参加となる。このほか、「この世界の片隅に」の作者・こうの史代さんは2回目、「伝染るんです。」の作者・吉田戦車さんが6年ぶりの執筆。久慈ありすと釜石まなのイラストも手掛けるMATSUDA98さんは、前回の作品集に収録された作品の続きとなるストーリを描いた。

 今回、初の試みとして、昨年4月に一関で行われた人気声優らによる朗読劇「声優朗読劇フォアレーゼン」の演目、「建部清庵」のコミカライズ作品も収録。出演した声優の浅沼晋太郎さん、八代拓さん、野上翔さんへのインタビューも掲載している。

 参加する漫画家のファンや、「声優朗読劇フォアレーゼン」の来場者からの反響も大きいほか、郷土芸能をテーマにした作品の人気も高く、郷土芸能に関わる読者からの感想も多く寄せられている。これまでの「コミックいわて」の読者とは違う新たなファン層の獲得も期待する。

 「コミックいわて」シリーズは書店での店頭発売に加え、インターネット通販にも対応しているが、東京都の「銀河プラザ」で購入する人も増えているという。本と一緒に岩手の特産品などを買う流れも生まれている。

 県文化振興課の担当者は「これまでのシリーズの中でもクオリティーが高く、充実したラインアップになっている。さまざまな内容が楽しめる一冊になっているので、手に取って、じっくり読んでもらえればうれしい。皆さんからの感想も心待ちにしている」と呼び掛ける。

 A5判、全264ページ。価格は800円。