岩手県内のテークアウト・デリバリー情報を集めたウェブサイト「いわてごちそうエールべんとう」が話題を集めている。(盛岡経済新聞)

 ウェブサイトの立ち上げと運営を行っているのは、市内でシルクスクリーン印刷を専門に手掛ける「サンプロセス工芸」の社長・柳原章弘さん。柳原さんはSNSを通じ、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて飲食店の売り上げが減っている現状や、多くの店がテークアウトを始めていることなどを知ったという。SNSを使って情報を発信するユーザーや店舗が多い一方、使い勝手の悪さなどを感じていた。

 柳原さんは「SNSの良さは、飲食店側もユーザー側も自由に気軽に情報を発信できる点。ところが、新しい情報が増えると古い情報が埋もれてしまったり、探しづらくなってしまったり、情報量が少ないといった使いづらさもあった」と話す。

 個人や団体がテークアウト・デリバリー情報をまとめる動きが活発になる中、柳原さんもより情報が見やすいものを作ろうと、自身の経験を生かしてウェブサイトの制作をスタート。ロゴデザインは知人に依頼し、短期間で公開までこぎ着けた。

 ウェブサイトはユーザーの使いやすさに重点を置き、検索機能に特化した。市町村エリアごと、提供するメニューのジャンル、受け取り方法といった条件のほか、キーワードを使った検索にも対応。例えば、「カレー」というキーワードで検索すると、カレー専門店だけではなく、洋食店や中華料理店がメニューに加えている「カレー」まで探すことができる。

 掲載情報にも気を使い、店名や住所、営業時間の基本情報に加え、提供するメニューや価格など詳細な内容も収集し掲載している。掲載店舗は50店を超え、ユーザーだけではなく店舗側からの掲載依頼も増えてきた。サイト上では掲載店の募集も続けるほか、SNSや問い合わせフォームを使ってユーザーからの情報も集めている。

 サイト内にはユーザーがクリックすることで収益が発生する「Googleアドセンス」の広告を導入し、その収益は新型コロナウイルスに係る医療従事者支援のために全額寄付する。

 「県内でもさまざまな形態でテークアウトやデリバリーの情報をまとめる媒体が生まれているが、それぞれが独立し、互いにない機能を補い合っているような状況がとてもユニークだと感じている。『いわてごちそうエールべんとう』も他にはない個性があると思う」と柳原さん。「使ってくれるユーザーが増えると、必然的に『ここに掲載すれば良い』と店舗の皆さんからの情報も獲得できると考えている。医療従事者への支援につなげる仕組みもあるので、活用してもらえれば」と呼び掛ける。